序文
あけましておめでとうございます。最終回で追い上げるアニメが多かった2018年秋クールのグロッキー状態から抜け切れてないまま2019年になってしまった筆者ですが、皆さんはいかがでしょうか。あかねさす、色づく世界、うざメイドの最終回が入ってきたせいで単話10選の選考がやり直しになってしまいました。こんな状況でどう迎えたらいいか分からないですが、1/3からは冬アニメが始まってしまいます。
以下は冬アニメについての、各作品の軽い紹介、勝手な予想となっています。深夜アニメ・30分アニメを基本にして紹介してるので、朝帯や夕方アニメ、5分アニメには抜けがいくつかあります。公式等ソースの確かなものから得た情報を使うよう心がけていますが、基本は個人的なメモの延長です。なので主観と適当な予想が交じった雑多なものになってますが、今期アニメ視聴の参考になれば幸いです。前半がオリジナルアニメ、後半が原作モノになります。
原作ものとオリジナルは個人的に次のように分けています。
原作もの:別媒体で発表済みのストーリーをアニメでなぞる形式のもの
オリジナル:上記の原作もの以外。なぞれる原作がないもの。
ラブライブ!みたいなキャラだけ固まってるメディアミックスやソシャゲのアニメ化もオリジナル扱いです。アニメ見てストーリーの展開が気になったときに先取りできるのが原作もの、できないのがオリジナルだと思って貰えればいいです。感覚で分けてるのであてはまらないものも何個かありそうですが。
この記事は私見バリバリですが、情報だけ欲しい、5分アニメ、朝帯のアニメもカバーしたいという方は「つづきみ」のサイトをどうぞ。
ここでなら今期作品のPVをほぼ全部見ることも可能だったりします。合法的に。
オリジナル
エガオノダイカ
監督 鈴木利正
シリーズ構成 猪爪慎一
制作 タツノコプロ
タツノコプロの55周年オリジナルアニメ。地球から遠い星が舞台のSFとなっている。
主人公は女の子2人、かつかっこいいロボットも出てくるロボアニメらしい。主人公女子2人は片方が王女でもう片方が軍人、そして2人は幼馴染。ここに戦争の陰がちらつくと来たら否が応でも重めの百合の匂いを感じずにはいられない。
監督・構成の組み合わせはとある飛空士の恋歌と同じ。2人ともベテランであるが猪爪氏の方は主に原作ありの作品が多く、完全オリジナルは未知数な部分が多い。鈴木氏がラグランジュ・ファフナー・ヒロイックエイジとロボアニメには強い経歴なのでロボ方面に不安はないのだろうが、百合の方は果たして。キャラデザの時点では可愛さ十分なのでがっつり重い話をキメてほしい。
CIRCLET PRINCESS
監督 橘秀樹
原案・シリーズ構成 木緒なち
制作 SILVER,LINK
DMMのゲームが原作のアニメ。VRを使った架空のeスポーツ「C・B(Circlet Bout)」を使って学園同士が覇を競っているという世界観らしい。かつては強豪だったが現状は弱小な学校に主人公が転校してくるところから始まるということで、話自体はかなりオーソドックスなスポーツものの様子。ガルパンのように学校を救う展開になるのだろうか。
ゲームのリリース前にアニメで盛り上げるのは刀使ノ巫女と同じであり期待できるパターンだが、なんとなく色んなところからエロの匂いがする。スーツが性的だったり、声優が色んな名義で活躍してる人だったり。アニメと同じキャラにゲームの方だとキャスト表記がないところとかも怪しい感じがする。とはいえ見た目や雰囲気がエロいというだけで内容は真面目なものになると思われる。放送時間が23時だし。
監督・制作の組み合わせがマキャベリズムということで、戦闘方面もそっちの方面も期待ができそう。上手くいけばヒットコンテンツになる可能性は十分ある。
えんどろ~!
監督 かおり
シリーズ構成 あおしまたかし
制作 Studio五組
剣と魔法の世界にある勇者の学校を舞台にした女の子たちの日常系アニメ。限りなくきらら原作のようだし実際それっぽく作られているのだが、分類的にはオリジナルアニメとなっている。
監督がゆゆ式のかおり氏、構成はゆるゆりのあおしまたかし、制作はきんモザのStrudio五組と「俺の考えた最強の日常系アニメスタッフ陣」を体現したような座組となっている。しかし原作ありでは並々ならぬ実績があるが、オリジナルとなるとまた勝手が違ってくるのが難しいところ。あおしま氏が担当した直近のオリジナルアニメが千銃士というのがなんとも言えず不安感を煽る。うざメイド最終話のオリジナル設定でも示されたように、原作の再構成・改変については確かな腕があるのでそこに期待したい。後は五組の体力くらいだろうか。冬はきらら系列が原作のアニメがなく、日常系アニメ自体も少し枯渇気味なのでこの作品に頑張ってほしい。
マナリアフレンズ
監督 岡本英樹
シリーズ構成 関根聡子
制作 Cygames Pictures
15分アニメ。数年前に発表されたものの空中分解していた企画を再度組み立てたものらしい。神撃のバハムートのゲーム内イベントをスピンオフしたショートアニメということだが、神バハ本編のことを知らなくても問題はない様子。公式サイトの扉絵が背中合あわせに寄り添いあう異種族の美少女という組み合わせになっており、結構な百合臭を感じる。15分アニメということでストーリー面よりはシチュエーション面で期待したい。
カラフル・パストラーレ 〜from Bermuda△〜
監督 西村純二
シリーズ構成 横手美智子
ブシロードによるオリジナルアニメ。5人のマーメイドたちが主人公のアイドルものとなっている。公式では「ヴァンガードの人気キャラがカードゲームの世界から飛び出してアニメ化(抜粋要約)」と書かれている。いまいちイメージがつかめないが、遊戯王で言うとD-HEROたちが主人公のスピンオフという感じなのだろうか。
偶然ではあるがゾンビに続く人外アイドルということで、カテゴリ的においしい立ち位置にある気がする。監督が西村さんかつ制作がセブン・アークスということで、最近だとバジリスクとかVivid Strikeなどキンレコ作品の印象が強い組み合わせだが、前述のとおりがっつりブシロードのアニメである。構成は横手美智子女史が担当されており、西村監督の演出と合わせたときの破壊力はかなり高いものが期待できそう。ブシロードがバックにいるため、アイドルものの要である楽曲の方もハイレベルなものが来ると思われる。ゾンビランドサガからの流れもあるし、ダークホースになる可能性が一番高い作品。
グリムノーツ The Animation
監督 菅原静貴
構成 山口宏
制作 ブレインズ・ベース
帰ってきたTBSモクヨルアニメ。スクエニのスマホゲームが原作のアニメ。童話をモチーフにした自分の役割を誰もが持っている世界で「空白の書」という役割のない存在を割り当てられた主人公たちが自分の役割を探して旅する物語となっている。
ディーふらぐ!の監督・制作会社に加えワルブレや空戦の山口宏が構成ということで、なかなかモクヨルらしいメンツとなっている。スクエニのスマホゲーム原作といえば刀使ノ巫女が思い出されるので、枠と合わせて期待したいところ。
荒野のコトブキ飛行隊
監督 水島努
構成 横手美智子
制作 デジタル・フロンティア
大正義水島努監督アニメ。戦車の次は飛行機ですか?とか思ってよく見ると「これSHIROBAKOに出てきた第三飛行少女隊では」となる、そういうアニメ。さすがにそのまんまというわけではないが。主人公たちは軍属の空戦部隊ではなく雇われの飛行機乗り、用心棒という立ち位置である。
始まる前からゲーム展開が決まっていたりTwitterで宣伝もガンガン打ってたりとなかなか豪気な展開をしているが、内容が伴っているのかは少し不安。CG制作会社であるデジタル・フロンティアが元請けでありつつアニメ制作会社を使ってフルCGじゃない作品を作る、というのはグラフィニカが十二大戦でやってたのと同じ手法。主にCGが担うであろう空戦の部分は心配なさそうだが、他のところは果たして。
revisions リヴィジョンズ
監督 谷口 悟朗
CG監督 平川 孝充
シリーズ構成 深見 真/橋本 太知
アニメ制作 白組
フジテレビの+Ultra枠2作目。タイムリープを題材にしたSFジュブナイルものということらしいが、甘酸っぱい青春というよりタイムリープの影響で起こる「災害」にフィーチャーした内容になっているらしい。
シンゴジラでかなり有名になった白組が制作ということで、ほとんど手書きのような見た目のCGが特徴的である。モーションキャプチャーと組み合わせて撮影しているということで、実はほぼVTuberのアニメなのでは。谷口監督作品といえば最近だとID-0とかアクティヴレイドなど少しコアな作品が多いが、面白さは折り紙つきである。
ケムリクサ
原作・監督・脚本 たつき
制作 ヤオヨロズ
色々あった、たつき監督のオリジナルアニメ。
元々5年くらい前に投稿していた自主制作アニメを母体にしているということで、人生何が起きるか分からないものである。けものフレンズ同様、かなり複雑なSF的背景のある世界観を持ちつつゆるりとした会話劇を繰りひろげるという内容らしい。たつき監督の得意なスタイルなのだろうか。
けものフレンズ2
監督 木村 隆一
シリーズ構成・脚本 ますもと たくや
アニメ制作 トマソン
色々あったけものフレンズの2期。
色々あったので前のたつき監督版の続きではないし、世界観が共通してるかも分からない。監督だけでなく他のスタッフもほぼ総とっかえであり、共通してるのはキャストだけという状態。監督はアイカツ!構成はワンピースと経歴で見ると申し分ないスタッフ陣なのだが、こう悪い意味で注目を浴びている状態は非常にやりづらそうである。面白ければそれでいいと思うので、今の空気を払しょくするようなものを期待したい。かなり難しそうではあるが。
ぱすてるメモリーズ
監督 篠崎康行
助監督 山田弘和
シリーズ構成 玉井☆豪
制作 Project No.9
もはや毎クール1作以上はあるスマホゲームが原作のアニメ。世界観等の細かい設定は置いておくとして「女の子が異形と戦う」というデザインは他の作品と同じである。
「記憶を奪う」というウィルスの性質はいくらでも重い話が作れそうな設定だが、PVやラジオの雰囲気から見るとそこまで重い方向には振らないらしい。構成を務める玉井氏の叛逆性・モモキュンという経歴や制作会社のProject No.9を見ても信頼できるアニメになってくれる気がする。
BanG Dream! 2nd Season
監督 柿本広大
シリーズ構成・脚本 綾奈ゆにこ
アニメーション制作 サンジゲン
アニメーション制作協力 パッショーネ/Creators in Pack
ついに来た、バンドリの2期。1期が2017年冬だったので2年ぶりである。1期アニメは人を選ぶ感じだっただけにその後どうなるのか心配してたのだが、ゲームの方は女子大生が当たり前にやるくらい有名になったようで嬉しいところである。
1期から制作会社や監督は変わったが、脚本はゆにこ嬢が続投しているしなにより新しい監督が刀使ノ巫女の柿本氏なのでかなり信用ができる。CGモデルにはまだ少し違和感があるが、サンジゲンの仕事なら見てるうちに気にならないであろう。ポピパ以外のバンドの話も掘り下げられるようなので、その辺も期待したい。
バーチャルさんは見ている
監督 阿部大護
アニメーション制作 株式会社リド
2018年で一番ホットな単語だった「バーチャルユーチューバー(VTuber)」をフィーチャーしたアニメ。Twitterでトレンドに上がるようなVTuberはほぼ出演しており、コンテンツとしてVTuber全体を盛り上げようという意気込みを感じる。
既存のVTuberをアニメにする、というのは言葉以上に挑戦的なことである。なぜなら作品の核となる「キャラクター」について、バックグラウンドの形成や紹介をすべてアウトソーシングすることに近いのだ。そのような形式はこのアニメでしかできない、歴史的に見ても初めての試みであることは間違いない。平成の終わりにこの挑戦が何を残すのか、注視していきたい作品。
W’z
原案 GoHands
原作 GoHands × Frontier Works
音楽制作 GOON TRAX
制作 GoHands
GoHandsのオリジナルアニメ。テレビアニメではハンドシェイカー以来となる。
DJが主人公ということで音楽に力を入れているのか監督や脚本より音楽制作がクレジットされている。DJの世界では有名なようだけどアニソンしか聞いてないからよく分かんない。PVを聞いても使われてるのはOPらしき曲なので音楽の力は未知数である。
GoHandsといえば過剰なまでにリアルな背景や雑踏でのモブの会話まで台本で指定してパクを合わせるなど、偏執的なまでの作り込みで有名。PVで見る限りだが、この傾向は相変わらず引き継がれているようである。おそらく監督は今回も同じ金澤氏であろうし、ハンドシェイカー並の映像は確実に期待できるのではないだろうか。
Dimensionハイスクール
監督・脚本 アベユーイチ
制作 アスミック・エース/ポリゴンマジック
アニメの範疇に入れていいのか微妙な作品。実写パートと3Dアニメパートを交互に展開するという内容になっている。
アニメパートの導入が「いきなりアニメの世界に連れ込まれてしまった」というメタネタな上にやることが謎解きということで、いまいちアニメにする意味はないような気がしてくる。2.5次元俳優とイケメン声優が混合した珍しいキャスティングがウリということだが、どっちも馴染みがないので具体的にどう凄いのかはよく分からない。監督が「あかねさす少女」でシリーズディレクターをしていたアベユーイチ氏というのは気になるところだが、化ける可能性は低そう。果たして。
B-PROJECT~絶頂*エモーション~
監督 森脇真琴
シリーズ構成 大島のぞむ MAGES.
制作 BN Pictures
男性アイドルもの2期。1期はラストのダイナミックすぎる風呂敷の畳み方に茫然としてしまったのだが、なんだかんだで2期ができるくらいにはヒットしたらしい。やっぱり曲がよければアイドルコンテンツは売れるのだろうか。
前回強制的に話を畳んだので、裏を返すと伏線や前提となる知識はほとんどなしで続きが見られる。キャラも世界観も突飛な部分はほぼないので2期から見ても問題なく入れるのではないだろうか。
原作
五等分の花嫁
監督 桑原智
シリーズ構成 大知慶一郎
制作 手塚プロダクション。
帰ってきた「俺たちの」モクヨルアニメ。マガジンのラブコメ漫画が原作であり、五つ子の美少女がヒロインというなかなかトリッキーな設定が特徴となっている。1巻1話の冒頭が結婚式のシーンであり、本編は「あの花嫁は5人のうち誰でしょう?」という興味でひっぱる形になっている。負けヒロインが全員姑or小姑になるのって結構辛くない?とか思ってしまうが、その辺は漫画なので突っ込んではいけない。
何といってもモクヨル美少女アニメというのが強い。講談社はここ最近アニメ化に力を入れているらしく、スタッフも非常に強力なメンツが揃っている。ヒロインの声優がCM版の佐倉綾音一人五役から一人一役になっていたのは少し残念だが、モクヨルの底力を見せてほしい。
明治東亰恋伽
監督 大地丙太郎
脚本 はるか 髙橋幹子
女性向け恋愛ADVゲームが原作のアニメ。
乙女向けゲームが原作なのだが、監督が大地丙太郎というのが意外なところ。かつてはフルーツバスケットの監督をしたことなどもあったが、ハイテンポなギャグアニメを作る印象が強い。先行上映の感想では笑い要素が強めで男性が見ても楽しめるとのことだが、果たして。
盾の勇者の成り上がり
監督 阿保孝雄
シリーズ構成 小柳啓伍
制作 キネマシトラス
純正なろう小説原作アニメ。ネット小説=なろう小説とくくられることも多い昨今だが、これは本当になろう作品である。もっとも異世界「転生」ではなく「召喚」ものであるが。
主人公の役割が攻撃手段のない「盾」な上に裏切られて無一文のどん底から始まるという設定は割とシビアに感じるが、ぶっちゃけ設定より展開の方が重要。製作がキネマシトラスなので戦闘シーンなどは良さそうだが、話の方はどうなるか。初回に1時間の枠を用意するのはリゼロ以来の特別待遇なので、同じくらいには力をかける価値がある原作ということなのだろう。レガリアの小柳さんが構成という点も含めて期待したい。
魔法少女特殊戦あすか
監督 山本秀世
制作 ライデンフィルム
アニメイズムの魔法少女アニメ。ガンガン系列の漫画原作であり、一周回って「いつも通り」になってしまった感のある「外道魔法少女」ジャンルに属するような作品である。かつて異世界との戦争で活躍した魔法少女たちの「その後」から始まる物語でアリ、魔法少女という存在を「武力」としてとらえた話が展開される。
構成として作者本人に加えニトロプラスの海法氏が参加しており、アニメ化に向けた再編成に力を入れていることが分かる。ライデンフィルムはバトルシーンの作画についてもキリングバイツでその強さを見せつけており、期待できる。
雨色ココア side G
監督 石井久志
シリーズ構成 藤本冴香
制作 EMTスクエアード
男性キャラがたくさん出てきた女性向け漫画原作アニメ「雨色ココア」の女性キャラバージョン。今までSide Mとついたコンテンツはいくつか見てきたが、ついに女性向けから男性向けへ輸出される時代になったとは。時代の流れは分からないものである。
割った壺の弁償におじさんのカフェでメイドをやるという導入はだいぶエロ漫画っぽいが、内容的にはちょっと心温まる青春モノになるらしい。雨色ココアシリーズとしては五期となっており長期コンテンツだが、果たして5分という時間でどのくらい話を掘り下げられるのだろうか。
ブギーポップは笑わない
監督 夏目真悟
シリーズ構成 鈴木智尋
制作 マッドハウス
電撃文庫のラノベが原作。元の作品には何も罪はないのだが、何かと「最近のラノベ叩き」の際に叩き棒にされがちな印章がついてしまっている。第4回電撃小説大賞受賞作、初刊の発行が1998年ということで古参中の古参である。2000年にもアニメ化されていたが、そちらはメディアミックスの一環であり本編の後日譚が描かれている。本来は本編があっての後日譚という流れになるのが自然あnので、要するに19年越しに帳尻を合わせる形になっている。
原作はラノベの歴史を以前と以降に分けてしまうくらい歴史的な存在であり、設定や内容も一言で言い表すのは難しい。アニメ化するのは至難の業であろうが、スタッフ陣はACCAやワンパンマンを見事にアニメ化した実績があり、大作にも相応しいメンツとなっている。かつては「アニメに適してない」という判断から本編のアニメ化はスルーされていたが、当時の判断が正しかったか否か。平成最後のクールに00年代を総決算する意味でも成功してほしい作品。
賭ケグルイ××
監督 林 祐一郎/松田 清
シリーズ構成 小林靖子
制作 MAPPA
エクスタシー顔が特徴的なギャンブル学園漫画のアニメ2期。アニメ自体の売り上げはあまり芳しい噂を聞かなかったが、実写版とかその他の展開が成功したのだろうか。
1期と変わらぬ制作陣にキャスト。MAPPAとavexという秋にゾンビランドサガでHRを飛ばしてきたやつらが人気原作を扱うわけなので外すことはないでしょうという感じ。唯一気になる点があるとすれば「総選挙」という話の大枠に1クールで決着がつくのかというところくらいか。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
監督 畠山守
構成 中西やすひろ
制作 A-1 Pictures
ヤングジャンプの漫画が原作のアニメ。両想いだがプライドの高い2人が相手の方から告白させるために頭脳戦をしかけるという変則的なラブコメとなっている。一発ネタ漫画のような気がするが既刊12巻と結構な冊数を出している。作者の引き出しが多いのだろうか。
昭和元禄落語心中の畠山監督に脚本の中西さんも落語心中で脚本をしてたりと結構豪華なメンツだが、出落ちにならず1クール続けられるだろうか。原作人気もありすでに冬アニメではトップの注目度らしいので維持してほしい。
ガーリー・エアフォース
監督 小野勝巳
シリーズ構成 永井真吾
制作 サテライト
電撃文庫の美少女バトルアニメ。正確には「少女の形をした機構」ということらしいが見た目が美少女なら美少女である。
世界に侵攻してくる謎の存在。それに唯一対抗できる戦闘手段とそれを制御する美少女の姿をした機構という設定としてはよくあるタイプの原作。とはいえ、ここからISのような方向性でもすかすかのような方向性でもどっちにでも振れるわけで、どのような展開になるかは読めない。公式のイントロを見ると後者のようなシリアス目の路線になると思われるが、はたして。
ドメスティックな彼女
監督 井畑翔太
シリーズ構成 髙橋龍也
制作 ディオメディア
週刊少年マガジンで連載中の漫画が原作のアニメ。1話からJKのヒロインが性交するという中々攻めた内容である。
人気漫画が原作といいつつ制作は井畑監督×ディオメディア制作というガーリッシュナンバーの組み合わせという安心感の塊。PVでお見せされているものは結構真面目な内容かつかなり美麗な画面であり「久しぶりにあった友人がすごいイメチェンしてた」感が強いが、考えてみるとディオメディアはマガジン原作アニメを担当することが多い(風夏、アホガール)ので順当といえば順当。奇抜な発想からくる笑いは今回はなしであろうが、クオリティ自体は間違いないと思われる。
臨死!! 江古田ちゃん
おそらく2019年冬で一番正気ではないアニメ。江古田に住む芸大生を主人公に芸大生のリアルな生態を4コマ漫画にしている原作の時点でだいぶパンチが効いてるが、アニメ化の仕方が更にすごい。全12話の各話ごとに監督と江古田ちゃん役の声優が変わるのである。全話監督交代制は「18if」、全話声優交代制は「ポプテピピック」と前例がないわけではないが、両方とも採用してるケースは初めてではないだろうか。また、各話を担当する監督陣のメンツもすごい。構想12年という宣伝文句もこれだけの監督を集めようと思ったらさもありなんというところではないだろうか。アニメの成否否に関わらず、この形式が採用されることはおそらく2度とないまさに空前絶後の制作体制である。歴史の証人になるためにも毎話逃さず見たい。
私に天使が舞い降りた!
監督 平牧大輔
シリーズ構成 山田由香
制作 動画工房
今期の動画工房アニメ。百合姫の人気漫画が原作となっている。タイトルの「私」=主人公の女子大生が「天使」=女子小学生と出会って一目惚れし、アプローチを繰り替えすという内容となっている。
女子小学生を愛する成人女性という構図、制作会社から秋アニメの傑作「うちのメイドがうざすぎる!」を思い出す。既刊が少なめ等状況的にも近いものがあるが、主要な制作スタッフ自体は被ってないため同じレベルになるかは分からないが、期待したい。監督が今回が初監督の平牧氏で構成がメイドラゴンなどを担当したベテランの山田女史という「初監督×ベテラン構成」ペアであるところも加点ポイントである。
どろろ
監督 古橋一浩
シリーズ構成 小林靖子
アニメーション制作 MAPPA/手塚プロダクション
制作 ツインエンジン
言わずと知れた手塚治虫の漫画が原作のアニメ。妖怪×時代劇という濃いめの設定の作品となっている。
生半可なアニメ化ではファンにどやされそうなビッグタイトルな原作だが、殺陣演出に定評のある古橋監督に小林靖子が構成とくればスタッフとしては安定であろう。流血の多そうな内容でありながらMXでの放送枠が22時というのが少し気になるところか。手加減はしないでほしい。
約束のネバーランド
監督 神戸守
シリーズ構成 大野敏哉
制作 CloverWorks
今期のノイタミナ枠。ジャンプ漫画が原作という、この枠ではかなり珍しいタイプのアニメとなってる。孤児院のような施設で育てられてきた少年少女たちが実は自分たちは「餌」として育てられてきたという事実に直面し、そこから逃げ出すために画策する、というサスペンス調の漫画となっている。あらすじで分かる通り、原作の方が今までのジャンプからはかなり方向性が異なる。
現在のジャンプで看板を担う漫画の一つでありすでに870万部も売れてる人気原作ということで、スタッフ陣もかなり気合が入ってる。監督・構成は同じノイタミナで以前に放送していた「やがてFになる」と同じであり、制作のClover Works がA-1Picturesからの独立ブランドであることを考えればほぼリベンジに近い構成である。最大の課題は原作の切りどころの無さであろう。孤児院を出るまでに30話以上あり、そのほとんどが心理戦であるためにカットしにくい。すでに春のノイタミナ枠が決まっていることを考えると12話で納めることは確実であるため、どのようにやるか注目したい。
3D彼女 リアルガール 第2シーズン
監督 直谷たかし
シリーズ構成 赤尾でこ
制作 フッズエンタテインメント
リアル「オタクに恋は難しい」の2クール目。1クール目が4月なので、ほぼ分割2クールである。
1クール目からだいぶしんどい話だったけど、こっから更にしんどさは加速するらしい。
デート・ア・ライブIII
監督 元永慶太郎
シリーズ構成 白根秀樹
アニメーション制作 J.C.STAFF
世界を救うためにデートするラノベアニメの3期目。テレビアニメ2期が2014年、間にあった映画も2015年なのでほぼ4年近いブランクがある。
監督・構成は1期から変わらないが、制作はAIC→プロダクションアイムズときてまさかのJ.C.STAFFになっている。これが格上げなのか格下げなのかは分からないが、監督・構成共にJ.Cと縁が深い人なのでやりやすそうではある。
同居人はひざ、時々、頭のうえ。
監督 鈴木薫
シリーズ構成 赤尾でこ
制作 ゼロジー
Web漫画サイトのCOMICポラリスで連載されている漫画が原作のアニメ。ネコと小説家の2人暮らしを描いた日常ものとなっている。
この設定で30分アニメはダレそうだが、構成にその道のプロである赤尾でこ氏がいるのでその辺は安心できそう。製作がゼロジーだったりと力も入ってるようであり、期待したい。
ピアノの森 第2シリーズ
監督 山賀博之
シリーズ構成 あべ美佳
制作 ガイナ
NHKの漫画原作アニメ、2クール目。
NHKだから安定でしょ、と思っていたのだが1クール目と監督や構成のクレジットが変わっていたりして少し心配になる。頑張れガイナ。
不機嫌なモノノケ庵 續
監督 川崎逸朗
副監督 川西泰二
シリーズ構成・脚本 吉岡たかを
制作 ぴえろプラス
妖怪アニメの2期。監督を始めとした主要スタッフが1期から変わっているが、構成の吉岡氏と制作のぴえろプラスは続投している。
モブサイコ100 II
監督 立川譲
シリーズ構成 瀬古浩司
制作 ボンズ
見た目は地味だが信じられないレベルの超能力をもった少年が主人公のアニメ、2期め。 主人公が世界を壊すレベルの超能力者という設定は斉木楠雄を思い出すが、方向性はかなり真逆。1期では戦闘シーンも多く、ボンズによる強烈な絵の連続が快感だった。スタッフは全く変わってないので1期レベルのものを期待したい。