序文
9月も末ですね。夏アニメも続々と最終回を迎えています。個人的にはTABOO TATOOが完全なダークホースだったのとレガリアがいろいろあって大変だったのが印象的です。ほかにもいろいろ感想はありますが詳しい感想はまた後日あげます。
以下は秋アニメについて、各作品の軽い紹介、勝手な予想となっています。深夜アニメ・30分アニメを基本にして紹介してるので朝帯や夕方アニメ、5分アニメには抜けがいくつかあります。いつものざっくりとした傾向などのまとめは別に書きます。
いつも通り、公式等ソースの確かなものから得た情報を使うよう心がけていますが、基本は個人的なメモの延長です。なので主観と適当な予想が交じった雑多なものになってますが、今期アニメ視聴の参考になれば幸いです。前半がオリジナアニメ、後半が原作モノになります。
文章を読むのが面倒な人はこの動画で確認してください。(例によって自分のあげたものではないですが)
オリジナルアニメ
ガーリッシュ ナンバー
僕らのTBSモクヨル後半枠。この枠は古くは苺ましまろ・けいおん!から始まり最近でもろこどる・レーカン!・ダンデライオン・この美と連綿と受け継がれる美少女アニメ日常系アニメの聖地である。今回もこの系譜の血を受け継いだ作品だが、それだけでなく、2000年代前半から原作つきのアニメが続いてきたこの枠では初めてのオリジナルアニメ(武装神姫は特別案件扱いでお願いします)。すでに小説版が出ているが、これはメディアミックスの一環で刊行されている前日譚なので、アニメはアニメでオリジナル。新人女性声優の奮闘を描いたお仕事物語となっている。
監督の井畑翔太は艦これ・六花の勇者のOPなどで作画監督を務めた人で、監督は初。構成は原案も担当した俺ガイルの渡航先生。制作はTBS木曜深夜のおなじみディオメディア。この時間帯としては完ぺきに近い。声のお仕事・それが声優につづく声優をテーマにした美少女ものであるが、それらともまた違う角度、描かれ方をされると思われる。主役に抜擢されたぼんちゃんこと千本木彩花の演技にも期待がかかる、今期のオリジナルでは1番の個人的注目作。
フリップフラッパーズ
インフィニティプロデュース、Studio3Hz制作というオリジナルアニメ。ガールミーツガールな異世界冒険もので、変身少女ものといった感じ。
コンセプトアートにtanu氏がおり色調などはローリングガールズっぽいが、撮影、音響、制作会社といった要素は天体のメソッドのスタッフとなっており、雰囲気の好みは一級品。懸念としては構成や脚本がスタッフに明記されてないところ。監督である押山氏が作画畑出身であり、その他スタッフとして記載されているメンツも作画や音響の方面の人たちのため、話に対して安心できる要素がない。ふたを開けてみないとわからないが、世界観などは今期でもトップレベルに好みであり、期待したい。
Lostorage incited WIXOSS
「ゲームの宣伝になってない」でおなじみのカードゲームWIXOSSのアニメ新作。Selectorのシリーズが劇場版まで含めて完結しているためLostrageと銘打って新たなシリーズが始まる。ルールも前回から一新されるらしく、「今回の代償は記憶」という不吉な文言がPVにも流れている。しかし一方でセレクターやルリグといった基本設定は引き継がれており、前回とのつながりも気になる。
新シリーズということで、スタッフ陣も前シリーズから一新。監督はふらいんぐうぃっちの桜美かつし。構成は二十面相の娘の土屋理敬と制作のJC.STAFFに縁のある人たちとなっている。美術設定、色彩設計も新しくなっており、Selectorのときと共通するのは撮影や音響回りのみとなっている。とはいえ基本はやはり女の子が運命に翻弄され極限状態のカードゲームに巻き込まれるという内容。スタッフは変わったが全体に通じる雰囲気は近しいものがある。監督があまり残酷な展開を好まずハッピーエンドに落ち着かせることが多い人なのが気になるが、そこも含めてどのような化学反応が起きるか、期待。
装神少女まとい
うたわれるものから始まり、はた魔王、シュタゲ、ごちうさ、リゼロと原作もので1万越えを連打するWHITE FOX、初のオリジナルアニメ。装神のタイトルが意味するのは「神を纏う」という設定だが、要するに見た目も内容も和風にした魔法少女ものである。
監督は天体のメソッドの迫井政行。構成脚本がヴァルキリードライヴマーメイドの黒田洋介ということで、スタッフ陣を見ても本気がうかがえる。プロデュースにインフィニット・音楽面にランティスも入っており安心感が強い。
オリジナルの魔法少女ものというとまどか・ゆゆゆのように何かと規模が大きい悲劇になるように思われがちだが、インフィニットが関わっているのでもう少し青春とかジュブナイルな側面に沿った内容になると予想される。個人的には放課後のプレアデスのようになってくれたら本当にうれしい。「初オリジナルアニメはこける」と言われる昨今だが、当たりアニメしかないインフィニットプロデュースということで、期待したい作品。
ブレイブウィッチーズ
ストライクウィッチーズシリーズ改めワールドウィッチーズシリーズ最新作。いままでの501戦闘航空団=ストライクウィッチーズとは別の部隊である502戦闘航空団が主役の物語。主役は変わっても世界観は変わらず、本筋は侵略者ネウロイと戦う少女たちの物語。
監督・キャラデザが股監督高村和宏、キャラ原案・原作に島田フミカネ、軍事交渉・世界観設定に鈴木貴昭、ここに浦畑達彦を加えた4人による構成という初代ストライクウィッチーズから変わらない鉄板の布陣。制作会社は転々としてきたスト魔女シリーズだがこの4人体制は変わらないという点で非常に安心感がある。制作は劇場公開O.V.A.に引き続きSilver.Linkということで、女の子のかわいさには定評がある。息の長いシリーズの最新作ということで、秋の目玉の一作となっている。個人的にも期待値は高い。
終末のイゼッタ
前々からPVだけ出てた謎の企画。その実態は監督:藤森雅也に制作亜細亜堂という忍たま乱太郎陣営に構成脚本として吉野弘幸を招いたオリジナルアニメ企画。
PVを見るに、魔女×軍事という最近の流行を踏んでいる。さらに西暦1939年が舞台で軍事交渉・銃器デザインがたてられてるところから、第二次世界大戦を下地にしたオリジナル戦記物になると思われる。かなり似たコンセプトの大先輩であるストライクウィッチーズシリーズの最新作が同じ時期に放送されるのはなんというか、かわいそうなくらいかわいそう。
小国vs大国という構図は日本人好みの判官ものの雰囲気を出しており、キャラもかわいい。設定は悪くないのだが、とりあえず半年近く前から映像を出して派手に風呂敷を広げてるだけにこけそうで仕方ないのがつらい。広告をしすぎて期待値が逆に下がってる感じもしてるので、これがうまくいけば「秋は豊作だった」と言えそうな作品。
アイドルメモリーズ
毎クールひとつは見かけるアイドルアニメ。今回のこれは仮想空間を通して行うアイドル活動が盛んな未来を舞台にしている。現実の人間が衣装だけ仮想空間上で纏って踊るというのは拡張現実、いわゆるARの部類に属するようにも思えるが、宣伝文句としては通りのいいVRが採用されている。
拡張現実というモチーフに合わせるように、全体の構成も実写パート15分にアニメパート15分の複合でひとつの30分の番組になっている。監督はDOGDAYSの副監督などを務めた菊池カツヤ。構成脚本は「聖戦ケルベロス」の大野木さん。ケルベロスという伝説を築いた人が関わってるということで、非常に期待できる。
土曜の深夜という深夜アニメ内では格の高い放送枠で実写とアニメのハイブリッドという企画をやること自体がとても野心的。制作がVividStrikeと同時のセブンアークスだが果たして。
刀剣乱舞-花丸-
お船の艦これに続くDMMのキャラクターコレクションゲームのアニメ。お船よりもさらに勢いがあってお金もあるらしく、テレビアニメを2つも作る予定でこれはそのうちの一つ。実在の刀の名前を冠した擬人化キャラ、刀剣男子の日常生活が描かれるとのこと。ゲーム上の設定では「歴史修正主義者と戦う」という戦闘システムもあるが、どういかされるか。
監督はラクエンロジックの副監督やうまるちゃんの数話の作画監督を務めた直谷たかし。構成脚本はばらかもんくまみこのピエール杉浦氏。上記のコンセプトの上、このスタッフ陣、制作が動画工房ということでPVの雰囲気などは美少女キャラを男に置き換えたきらら日常系。とはいえ、ラジオなどでも「ただの日常系ではない」と臭わされており、くまみこ最終回で伝説をぶちあげてぴーえる氏が次に何を仕掛けてくるのか、期待したいところ。原作ゲームの人気もあるため万が一やらかすとくまみこ以上の火種になる故、いろいろと目が離せない。
TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-
MXの新しいアニメ放送枠である「あにめのめ」の2作品目。江戸川乱歩の「少年探偵団」を下地にしたオリジナルアニメとなっている。舞台を近未来にうつし、死ねない少年小林と少年探偵団の出会いから始まる物語が描かれる。江戸川乱歩ということで、明智も怪人二十面相も登場するが、メインとなるのは少年探偵団のメンバーの様子。全キャラ原作とはかなり違った見た目になっており、アレンジ色が強い。
少年探偵団は江戸川乱歩の小説によく出てくる有名な少年たちの集まりだが、副題にある「少年探偵団」はおそらく二十面相シリーズの2作目のことを指す。まあ下地になってるというだけで内容が準拠してるとうわけではなく、おそらくはほとんど別物になると思われる。
原作の少年探偵団のメンバーとキャラの名前に対応関係があるなど、細かいところまでこだわりが感じられる。監督はネプテューヌの向井雅浩、構成脚本がタイバニの吉田恵里香。「死ねない少年」というダークファンタジーな設定とキャラ原案のPEACHPITの愛称もよく感じられる。制作は甘々と稲妻に引き続きトムスエンタテイメントということで、気合が感じられる。個人的には唯一の女性キャラとして木戸衣吹ちゃんが参加している点に注目し、木戸ちゃん爆死伝説が撤回されるかどうか期待したい。
ViVid Strike!
なのはvividの続編のようなオリジナルアニメのようなよくわからない作品。あきらかにVividを踏襲したキャラが出てきてるが、明確な関係は示されていない。監督西村純二に脚本の都築氏、制作のセブンアークスピクチャーズ、おまけに美術監督のScott氏の一致まで考えると、どうやらVividというよりもDOG DAYSに関係が深そうな企画となっている。
なのはの系列としてみると、いままでの「OP水樹奈々ED田村ゆかり」という布陣も壊して小倉唯、水瀬いのりを起用しており「新時代の到来」を予感させるものがある。2000年代の遺産ともいえるなのはシリーズが現在にも通じるのか、ここで最後となって朽ち果てるのか。すでに崖っぷちな印象も強いが世代交代の懸け橋となってくれることを期待したい。
タイガーマスクW
テレビ朝日、久しぶりの深夜アニメ。タイガーマスクの「続編」という形になってるが、Wという文字の通り今回は2人ペアの主人公。「光と闇」というわかりやすい対比構造がうかがえる、シンプルだが骨太な構成。
監督はキン肉マンⅡ世やりんぐにかけろの小村敏明、構成にベイビーステップの千葉克彦、制作が東映アニメーしょん。実在するレスラーなども登場するらしい。50周年を迎える東映だけに、新たな一歩として刻めるか期待したい。
マジきゅんっ!ルネッサンス
原作矢立肇=サンライズのオリジナルアニメプロジェクト。ラブライブで大成功したサンライズだが、今度は自前で女性向けプロジェクトを打ち立てた模様。女性主人公がかっこよくて才能のある男子と文化祭を成功させるために頑張るというのがおおまかなストーリーラインとなっている。
監督に八犬伝、野崎君の山崎みつえ、脚本にうたプリやダンデビの構成脚本を担当した今春智子を起用するなど、女性向けにたけた人選。とはいえ今期は女性向けアイドルものとしての成功であるうたプリの4期があり、勝負としては分が悪く見える。果たしてうまくヒットするか。
ユーリ!!! on ICE
MAPPA制作のオリジナルアニメ。夏のサッカーに続いて今度はフィギュアスケートをテーマにした作品となっている。公式サイトで目を引く特徴的な絵柄は「モテキ」の久保ミツロウによるもの。キャラ原案・キャラデザを担当する彼女と監督の山本沙代のタッグが脚本構成も担当している。見どころとなるフィギュアスケートの振り付け指導に元全日本王者の宮本賢二が入っており、気合がうかがえる。
テレビ朝日が深夜アニメを作るのは2012年の「新世界より」以来。全国に放送ネットを持つキー局が久しぶりに作る新アニメということで、地味に注目されている。監督はアニメ(ーター)見本市ですでにフィギュアスケートを題材にした短編アニメ「Endress Night」を作っており、宮本氏の起用もおそらくそこからのつながり。この作品自体はMVのような作りのためお話としてどうなるかはわからないが、制作のMAPPAの能力から考えても少なくとも作画にはかなり期待できる。
うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター
乙女ゲーが原作のうたプリシリーズ4期。夏目といいこれといい女性向けコンテンツは息が長い印象が強い。
3期のラストで会場に炎を放ち観客を燃やす(という演出)と共に復活したライバルグループと先輩グループを混ぜた3組のアイドルの三つ巴の激闘が描かれる4期。公式の説明によると革命の先に伝説になるらしく、もしかしたらこのシリーズでラストになるのかもしれない。
監督は3期からまた変わったが制作会社・構成も変わらないし大勢に影響はないと思われる。キャラデザが変わったので少しだけ印象が変わるかもしれない。大人気作品だが4期から入るのは若干ハードルが高い気もする。といっても筆者は3期だけ流し見しててなんとなくわかって楽しかったのでそんなに気にせず見られると思う。
ブブキ・ブランキ 星の巨人
サンジゲンの10周年記念作品。冬に1期を放送していたが2期発表のタイミングが1期直後だったのでおそらく分割2クール(追記:)。10周年記念作品ということで1月に始まり12月に終わるというきれいな形に収まった印象。
前作のラストで出てきた妹がキーパーソンなる様子。人気はともかくスタッフは特に変更されておらず、制作会社の肝いり企画ということでクオリティは1期のレベルから変わらないようなので期待。
SHOW BY ROCK!!
サンリオのリズムゲームアプリ原作のアニメ続編。最近は分割2クールでの2期が多いが、これは純粋に1期の人気を受けての2期。1期の最後でめでたく現世に帰還したシアンだが、新たな敵の登場に合わせてまたMIDICITYに戻る様子。
スタッフも特に変更ないが、1期の始めとはだいぶキャラの立ち位置が違うのでそのあたりの扱いがどうなるか注目したい。
原作ありアニメ
うどんの国の金色毛鞠
コミック@バンチで連載中の漫画が原作のアニメ。ちょっと疲れた感じの男性主人公が香川の田舎でかわいい金髪の幼女と過ごす物語。主人公が中村悠一なのもあいまって、なんとなく夏アニメの甘々と稲妻を思い出す。もっとも、タイトルにうどんと入ってるがこれは香川県のことを指してるだけでご飯はあまりテーマに関係ない。
監督宅野誠起・副監督臼井文明・制作キネマシトラスという山田君と7人の魔女のスタッフ陣に構成脚本にゆゆ式の高橋ナツコが加わっており、安定感のある布陣。日テレ深夜はばらかもん、ふらいんぐうぃっち等、良作癒しアニメの隠れ里のような場所になっており、この作品も名をつらねると期待される。
灼熱の卓球娘
女子卓球漫画が原作。タイトル通りのスポ根もの。ジャンプ系列の雑誌に掲載の原作らしく、友情努力勝利の三本柱がしっかりと打ち立てられているらしい。とはいえアニメが売れるかどうかはこの柱とはほぼほぼ無関係なのが悲しいところ。
監督は鋼の錬金術師2期やコードブレイカーの入江泰浩。構成は倉田英之。R.O.D、バンブーブレード、俺妹、かみのみと原作ものではアベレージが高く、最近でもグリザイア・純潔のマリアなどを担当しており安定感がある。音楽MONACA・制作キネマシトラスということで美少女を扱うことにも慣れているところ。しかし、動きの多いスポーツものはブラック・ブレットの前例から考えると不安。というか入江監督とキネマシトラスの原作物アニメはコードブレイカーという前例があるので、どうもいまいち不安がぬぐえない。
構成・脚本の倉田さんが大正野球娘。のファンを公言しているということで、キャリア的に見て初めての女の子×スポーツものにかける思いの重さにかけたい。EDをWUGが担当するということで、その点でもこけないことを願いたい一作。
競女!!!!!!!!
!の数からわかる通りのバカ漫画が原作のアニメ。バカは褒め言葉である。架空のスポーツ「競女」をテーマにした美少女スポーツものになっている。「競女」とはプールの上に浮かぶステージで女の子同士が胸と尻でぶつかり合い、叩き落しあい、最後まで立っていた者が勝者という水上競技。説明は大層だが、要するに水着でやる尻相撲をダイナミックにしたようなもの。この説明だけでバカアニメとわかる。美少女スポーツ漫画という売り文句らしく、キャラも水着の美少女ばかり。
設定はバカそのものだが、その分ストーリーラインはまじめらしく、現在の週刊少年サンデーの看板らしい。制作にToLoveるのXEBEC、構成もそのTo LOVEる1期で監督を務めた加戸誉夫に監督はその加戸作品によく演出で参加する高橋秀弥、ということで、その手のアニメとしては完璧。
魔法少女育成計画
今期のラノベ原作アニメ。と言ってもいつもとはかなり毛色が違い、16人の魔法少女達が半分になるまで殺しあうゲームに巻き込まれるという、美少女だらけのバトルロワイヤルものとなっている。いわゆる「外道魔法少女」に分類されるような作品であり、苛烈な内容という謳い文句通りキャラも容赦なく死んでいく。
監督はごちうさの橋本裕之、構成脚本に君嘘やWorking等原作物を多数担当してきた吉岡たかを、制作はLerche。人気原作ものということで制作体制も豪華なメンツがそろっている。今期の原作ものでは特に認知度が高い作品であり、期待値も高い。
ろんぐらいだぁす!
一迅社の漫画が原作のアニメ。自転車にのる女の子たちの物語ということで、日常系亜種の系列にあたる。女子×バイクでばくおんが春にあったが、あちらが女子高生の物語だったのに対し、こちらは女子大生が主役になっている。登場キャラがすべて女子大生ということでいままでの美少女ものより年齢設定が少し高い。より視聴者層に近いところになったと言える。
監督は波打ち際のむろみさんやモンスター娘の日常の吉原達也。構成はゆゆ式の高橋ナツコと、スタッフ陣はこの系統に縁の深い人。原作は自転車の「ロングライド」を題材にした同人誌を前身としており、自転車のりの世界からの支援も熱い。手堅い要素が多い原作ものアニメではあるのだが、最大の懸案は制作会社のアクタスにある。すでにレガリアで放送延期を決定して10月から新作が始まるのだが、果たしてこちらは無事に最後まで放送されるのか。不安の募る作品。
ALL OUT!!
講談社のモーニング・ツーで連載中のラグビー漫画が原作のアニメ。漫画の時点で相当人気がある作品のためか、寄生獣の監督、Reゼロの構成脚本となかなか気合の入ったスタッフ陣が揃っている。制作もトムス×MADHOUSEということで、まさに講談社の肝いり企画。2015年の日本代表のジャイアントキリング以降、ラグビーの知名度、注目度は上がっており、現状は明らかに追い風が吹いている。この勢いにのってヒットするか、注目の作品。
私がモテてどうすんだ
今期のTBS木曜深夜アニメ前半枠。別冊フレンドに連載されている漫画が原作となっている。BL大好きな太めの腐女子だった主人公があるきっかけで体重が激減し美少女に変身。その結果モテ期が到来するという、かなりギャグ寄りのラブコメとなっている。男性向けだとオタク主人公というのは結構見るが、BLという少々アングラな要素を趣味として全面に押し出してる女性主人公は新しさを感じる。
構成は青春・恋愛ものに定評のある横手美智子、制作も安定感が高い信頼のブレインズベースと落ち着いた布陣。しかし、監督にあのカブトボーグで有名な石踊宏を起用しているのがかなり強いアクセントとして効いている。GUNSLLINGER GIRLでは総監督という肩書だったため、同氏の監督としての作品は実にカブトボーグ以来になっている。この起用がラブコメのコメディ部分にどのくらい影響を与えるか、注目が集まってくる。
響け!ユーフォニアム2
京アニの自前文庫原作もの、響け!ユーフォニアムの2期。1期と変わらず全国大会を目指す吹奏楽部のリアルな部活模様が描かれる。スタッフも特に変わらなずクオリティの面では心配はない。ただひとつ、原作だとこの先主人公の久美子と幼馴染の男子との恋愛展開があるらしいがその辺りの扱いがどうなるかが懸念事項。1期で百合論壇に少なからぬ荒れをもたらしただけに、さらなる争いの種を投下する可能性はある。
Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-
今期のA1アニプレの本気枠。秋では数少ないラノベ原作。今回は志倉さん原作。監督イシグロキョウヘイに制作A1というのは君嘘のスタッフであり、本気度がうかがえる。ランマス・君嘘のイシグロ監督に原作者のかかわる構成ということで、期待度は高い。
3月のライオン
はちみつとクローバーの作者である羽海野チカの将棋漫画が原作のアニメ。土曜23時といういい時間帯の放送なのだが、このアニメなんと放送局がNHK総合となっている。将棋テーマの作品とはいえ、国営放送で深夜アニメとはなかなか思い切った特別待遇といえる。
制作がシャフト・監督が新房という物語シリーズを思い出す布陣だが、思った以上にくどさがない印象。おそらくおそ松の美術監督やロリガの美術設定を担当した田村せいじさんが美術監督を務めている影響と思われる。原作の人気具合、アニメ制作陣の気合いの入りようから見て今期の最大の注目作といえる。
ステラのまほう
毎度おなじみ芳文社原作4コマ。今回はきららMAX掲載の原作。NEWGAMEに引き続いて「ゲームを作る女の子」が描かれるが、今回は部活中の女子高生。仕事じゃなくて部活な分、ブラックさはこっちのほうが上とかなんとか言われてたりする。
監督がのんのん・田中君の川面真也監督で制作がSilverLink、構成脚本がNEWGAMEや未確認で進行形の志茂文彦ということで、この手の原作には長けた人たちが集まった印象。この布陣での作品は過去にココロコネクトがあり、非常に期待できる。
ソウルバスター(侍霊演武)
霊剣山、一人之下に続く、中国WEB漫画原作。三国志の歴史が消え、現代によみがえった武将たちの戦いに主人公が巻き込まれるという、日本ではおなじみの偉人利用漫画。日本だと織田信長が女の子になるが、ここでは周瑜が巨乳なセイバーになる。
監督にうえきの法則や地獄少女3期の渡部稲寛。構成にワルロマの裸写生大会回を担当した本田雅也という衝撃的な布陣。制作もStudioぴえろと非常に気合が入っており、中国の本気を感じる。三国志ものは日本でも大人気コンテンツだが、本場中国原作ということで、一味違ったものになってくると思われる。
CHEATING CRAFT
中国からの15分アニメの刺客。こちらは中国語のWeb小説が原作。学力がすべてを決める社会が発展した結果、試験自体がカンニングと妨害行為をしながらテストを受ける戦場となった、という読んだだけでワクワクしてくる設定をしている。カンニング妨害担当と回答担当の二人組で戦うバディものの要素もあるらしく、胸がたかなる。
監督が銀河機巧隊マジェスティックプリンスやスクールデイズを監督した元永慶太郎。構成脚本にはアブソリュートデュオや今日の5の2で構成をしていた鴻野貴光ということで、うたわれるもの偽りの仮面のタッグ再来となっている。制作は初元請けとなるBLADEということで、処女作だけに力が入っている模様。設定の求心力はオリジナルの中でも群を抜いているので、期待ができる作品。
TO BE HERO
TO BE HERO | TVアニメ『トゥ・ビー・ヒーロー (TO BE HERO)』アニメ公式サイトがオープン!!10月5日(水)18時30分よりTOKYO MXにて放送予定!
中国資本アニメ。こちらはナベシン監督。イケメンだった主人公が便器に吸われて不細工なヒーローになるというアメコミもびっくりの設定のヒーロー活劇。日本のアニメではあまりない独特の絵柄がよい。
Bloodivores
Bloodivores – TVアニメ『Bloodivores(ブラッディヴォーレス)』アニメ公式サイトがオープン!!10月1日(土)21時よりTOKYO MXにて放送予定!!
土曜21時、Haolinersという中国のアニメプロデュース会社の本気枠で放送されるアニメ。特殊な能力を持った吸血鬼が普通の人間に管理されている世界を舞台にした中国の人気バトル漫画を原作にしている。
設定はよく見るものとはいえ、キャラは可愛いし人気は中国内では折り紙つき。制作がみりたり!やハッカドールの制作会社ということで初めての30分アニメでどこまでやれるのか、期待。
ドリフターズ
Hellsingで有名なヒラコーの漫画が原作。戦国時代の英雄たちが異世界に転生し、異形の物と戦うという、Fateと異世界転生を掛け合わせたような内容の作品。転生して出てくるのが戦国時代に限らず世界中の英雄というあたりもFateっぽい印象。しかし連載開始は2009年なので、最近はやりの異世界転生ネタとは言えない、むしろ先発気味といえる。
監督はHellsing(9話以降)を担当した鈴木健一で、構成には倉田英之、脚本には加えて黒田洋介と、かなり強力なメンツがそろっており、かけるものの重さを感じる。すでに6月の時点で1話2話の特別編集版がコミックの特典として頒布されており、日程的にはかなりの余裕をもって制作されているらしい。クオリティが下がる心配は少なく、今期原作ありでは最も期待値高く見られている作品。
ちなみに制作は「HOODS DRIFTERS STUDIO」となっているが、その実態はがおられ、大図書館、ファンタジスタドールといった名作を生み出した「俺たちの」フッズエンタテイメント。名前が変わったとはいえ名作の誕生に期待がかかる。
ナンバカ
漫画アプリComico掲載の原作アニメ。夏にはももくり、ReLIFEと放送していた。前2つは青春ものだが、こちらは監獄を舞台にしたハイテンションギャグコメディ。脱獄しようとする囚人とそれを阻む看守というコントとしては王道な設定になってる。
「監獄」という舞台の性質上、古今東西の監獄ものは大体男キャラばかりでありホモネタとも密接に関係してる。この作品も例外でなく男だらけ。明確に腐女子向けというわけではないが、ハイテンションギャグという漫画のタイプが女性受けしやすいのは銀魂・おそ松・地球防衛部等を見ても明らかなところ。監督もその筋で名を馳せている高松信司。構成にはテニプリの広田光毅と狙っている層は明確。制作はComico原作アニメではおなじみの実力派サテライト。Comico原作のアニメのお決まりを考えると、すでに全話完成されており配信待ちの状態にあると思われる。そこまでいかなくても、力の入れられ方を見るにクオリティの安定度には期待できる。女性人気の高さでは原作勢随一。
舟を編む
今期のノイタミナアニメ。バッテリーに続いての一般小説原作となっている。バッテリーが児童小説だったのに対し、こちらは三浦しをんの文芸小説。映画化もされている。辞書の編纂を題材にした小説であり、「言葉」が一つのキーワードとなる作品である。監督に黒柳トシマサ、制作にZEXCSという少年ハリウッドの布陣、さらにそこに構成でSelectorやシュタゲの監督である佐藤卓哉を加えてかなり厚い布陣となっている。
原作は本屋大賞を取り、映画も結構評価が高いと前評判高いのだが、アニメになって売れるかどうかといわれると正直微妙な題材。主要人物が暗めと明るめの二人の男性でちらっと見ると腐向けだが、実際はちゃんとヒロインとの恋愛もあるためそういう要素は全くない。
WWW.WORKING!!
Workingの姉妹作品のアニメ化。wwwは草が生えているわけではなく、原作者がもともと自分のHPで公開していたためにタイトルにつけられたと思われる。Workingの舞台であるワグナリアの姉妹店の物語であり、世界観も共通している。原作者の趣味の延長ということでWorking以上に濃いキャラで構成されている。
主要スタッフはアニメ3期から変わらず監督:鎌倉由実、構成:吉岡たかを、制作:A-1の体制。原作からのファン、Workingからのファンとしてはうれしい作りになっていそうだが、はたしてそれ以外の層にどれだけ受けるのかは未知数。Working3期の売り上げをみるに状況は厳しいが、頑張ってほしい原作もの。
亜人(第2クール)
アニメイズム枠の後半。死なない人間亜人になった主人公が逃げ惑うサスペンス。劇場版の最終章公開に合わせての公開となっている。劇場公開用にすでに完成されてると思われるので、作画崩壊等の心配はない。
夏目友人帳 伍
少年夏目と妖怪たちの交流を描いた漫画、夏目友人帳のアニメ第5期。4期の放送が2012年の冬だったので、実に4年ぶり。1期から考えると8年目の続編ということで、非常に息の長い作品になっている。制作がブレインズベースから朱夏に移ったがスタッフは特に変わりはないので、ファンとしては安心できるものになるはず。
ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校
ジャンプ漫画原作。バレーボール漫画のハイキューのアニメ3期。1期はTBS放送で2期はMX放送と移ってきたが、今度はアニメイズム枠の前半。いろいろと変遷はあるが主要スタッフも制作会社も特に変更がないため、変わらないクオリティになると思われる。
文豪ストレイドッグス(第2クール)
典型的分割2クールの後半。文豪の名を冠した登場人物たちの織り成す能力バトル漫画が原作。1期のラストで現れた海外マフィアという新たな敵勢力にいままでの敵ポートマフィアと主人公たち武装探偵社の三つ巴の抗争編に突入する様子。わりと人が死んでいくと思われる。
制作ボンズで人気原作で冬の初めは注目されていが、現状はいまいち波をつかめてない様子。1期で風呂敷を広げる形で終わったものをどう回収するのかに期待。