序文
7月です。春アニメは「LOST SONG」「刀使ノ巫女」と傑作揃いでロスが激しいですが、どれだけ別れが辛くてもまた新たな出会いがあるのがアニメとオタクの宿命。
以下は春アニメについての、各作品の軽い紹介、勝手な予想となっています。深夜アニメ・30分アニメを基本にして紹介してるので、朝帯や夕方アニメ、5分アニメには抜けがいくつかあります。公式等ソースの確かなものから得た情報を使うよう心がけていますが、基本は個人的なメモの延長です。なので主観と適当な予想が交じった雑多なものになってますが、今期アニメ視聴の参考になれば幸いです。前半がオリジナルアニメ、後半が原作モノになります。
原作ものとオリジナルは個人的に次のように分けています。
原作もの:別媒体で発表済みのストーリーをアニメでなぞる形式のもの
オリジナル:上記の原作もの以外。なぞれる原作がないもの。
ラブライブ!みたいなキャラだけ固まってるメディアミックスやソシャゲのアニメ化もオリジナル扱いです。アニメ見てストーリーの展開が気になったときに先取りできるのが原作もの、できないのがオリジナルだと思って貰えればいいです。感覚で分けてるのであてはまらないものも何個かありそうですが。
この記事は私見バリバリですが、情報だけ欲しい、5分アニメ、朝帯のアニメもカバーしたいという方は「つづきみ」のサイトをどうぞ。
このニコニコ生放送をTSで見ると今期作品のPVをほぼ全部見ることも可能だったりします。合法的に。吉田アナの喋りとかPV関係ないパートは若干邪魔かもしれないけど。
オリジナル
少女☆歌劇 レヴュースタァライト
revuestarlight.com 監督 古川知宏
シリーズ構成 樋口達人
制作 キネマシトラス
CMで名前だけはよく見る企画のアニメ。元の企画が「舞台上のミュージカルと画面内のアニメがシンクロして進む新時代の演劇」という点を踏まえるとアニメ化というのは正確ではない気もするが。
内容は「舞台女優を目指す少女たちの物語」ということで正統派な演劇ものの風格。しかしそこに「舞台で再開することを約束した幼馴染」というとても濃厚な百合設定がぶち込まれているようで、百合オタク界隈ではかなり噂になっている。
制作がアビスやゆゆ式のキネマシトラス。監督に初監督の古川氏、構成にベテランの樋口氏という名作が約束されたような布陣となっている。間違いなく名作になりそうな気もするが、気がかりなのはキャスト陣。普段から声優をやっている人もいれば、舞台をメインに活動している人もいる。演技についてはどの人も申し分ない評価を受けているようだが、アニメは「声質」がアニメっぽくないだけで叩かれることもある怖い世界。ここを起点にまとめサイトから適当な荒らされ方をされる可能性もあるため、不安である。
天狼 Sirius the Jaeger
監督 安藤真裕
シリーズ構成 小柳啓伍
制作 P.A.WORKS
遂に来た、CANAANの後を継ぐP,Aによるオリジナルアクションアニメ。ロボット、お仕事もの、青春ファンタジー、果てはウマ娘までやって来てついにこのアクションアニメである。00年代後半オタクとしては感無量である。
監督もCANAANと同じであり、本気で合わせてきたという感じが強い。構成の小柳氏は当時は文芸設定をしており、最近だとレガリアの構成をしていた。CANAANにレガリアと名作をこれだけ並べられたら信じないわけにはいかない。オリジナルでは一番に近い期待値の作品。
音楽少女
監督 西本由紀夫
シリーズ構成・脚本 赤尾でこ
制作 スタジオディーン
スタジオディーンとキングレコードによるオリジナルアニメ。大元がキャラクターソング企画でアニメ化というとツキプロを思い出すが、こっちは全部女子キャラの男性向け。
「音楽少女」は鳴かず飛ばずのアイドルユニットの名前であり、主人公がそこにスカウトされるところから物語が始まるらしい。既存メンバーにヒロインが合流するのはよくあるアイドルものの形だが、どう転がるか。
構成にFAガールでおなじみの赤尾氏がいるし音楽面ではキングレコードがバックにいるので心配ないのだが、同クールに同じジャンルに入れられそうな少女歌劇があるのが辛いところか。あっちがTBSモクヨルでこっちがキンレコ枠。雰囲気もかなり違う(そもそもあちらは目指すのが「舞台女優」であってアイドルではない)し差別化はできてそうだが、要素だけ抜くと似たものに感じてしまうところがある。少なくとも宣伝量は圧倒的に負けてるので頑張ってほしい。
Phantom in the Twilight
監督 森 邦宏
ストーリー 丸戸史明
制作 ライデンフィルム
どこからともなく現れたオリジナルアニメ企画。どうもあんスタ等でおなじみのHappyElementsによるアニメらしい。可愛い女の子を主人公に異能で戦う男たちというイメージのビジュアルになっている。
冴えカノの丸戸さんをストーリーに呼んでいるが、女性主人公とイケメンな登場人物というキャラ構成はほぼ乙女ゲー。別に丸戸さん自身は男女関係なくキャラ使いができる人だと思うけど、やっぱり今までの作品と比べるとかなり驚きのある采配。Classroom☆Crisisのときにその片鱗が見えてた感じもするけど。
やや唐突に始まったのと女性向けっぽさであまり乗り気ではなかったが、丸戸さんにハピエレが関わってると言われるとかなり状況は変わってくる。ハピエレと言えば、最近はラスピリという良作を残してくれた会社。こっちの方でも期待したい。
プラネット・ウィズ
監督 鈴木洋平
シリーズ構成 水上悟志
アニメ制作 J.C.STAFF
J.C.が制作するオリジナルアニメ。構成の「水上悟志」はコアな漫画好きには絶大な人気を誇る有名作家らしい。すでに4作ほどヒットを出しているが、アニメ化していないので浅学の身では存じ上げなかった。
そんな作者が書いた1000ページ以上書いたネームを元に作った完全オリジナル企画らしいのだが、なんだかどっかで聞いたことあるような。レクリの前例を踏まえるといくら素晴らしい原作者でもちょっと身構えてしまうものがある。
パッと見の絵柄で分かる通り、内容は少し古さのある熱血ギャグロボアニメらしい。ロボのデザインがホビーとメカの中間くらいの雰囲気があって個人的にかなり気に入っている。
監督の鈴木氏、製作のJ.C.ともに信頼に溢れる方々。オリジナルネームが原作というのがやはり怖いが、ひとつ期待したい。
深夜!天才バカボン
監督&構成 細川 徹
副監督 山本 天志
制作 studioぴえろ+
放送局、制作会社からおそ松さんの尻馬に乗ろうという気合いをひしひしと感じる。しかしおそ松さん本編すら二期はひどい有り様だったのに、二番煎じの後乗っかりで上手く行くのだろうか。
監督・構成の細川徹はアニメではなくドラマや舞台方面で実績を積んできた人。アニメ外の人を呼んで据えるのは大成功もあれば大失敗もある大ばくちだが、今回はむしろ上手くはまりそうな気がする。深夜でしかできない、かなり過激なこともするらしいので期待。
千銃士
監督 カサヰケンイチ
構成 あおしまたかし
アニメーション制作 トムス・エンタテインメント
銃の擬人化企画を母体にしたアニメ。うぽってかな?銃と言っても現代の実戦で使われるようなものではなく、それらの銃の原型にあたる中世~近代の銃、いわゆる古銃をモチーフにしている。火縄銃とかマミさんの持ってるマスケット銃の類いであり、現代では武器というより骨董品、芸者品として扱われるもの。このあたり「日本刀」の扱いと近しいものがあり、刀剣男子の銃verという表現がしっくりくる。
「武器の擬人化はもう流行らん」とは思うのだが、同じようなことを刀使ノ巫女の放映前に思って盛大に覆された過去もある。最終回が来るまでは予測不可能なのがオリジナルアニメの強みであり、ひとつ期待したいところ。刀使ノ巫女レベルを女性向けでかましたら絶対流行るから、間違いない。
夢王国と眠れる100人の王子様
監督 ひいろゆきな
シリーズ構成 高橋ナツコ
アニメーション制作 project No.9
女性向けスマホアニメが原作のアニメ。「夢」の世界が舞台でスマホゲーというと18ifが思い出されるが、あそこまで攻め攻めな作りにはなってない。監督も構成も全話共通。
スマホゲー関係のアニメは今年だけでも刀使、ダメプリと当たりが続いている枠。ナツコ女史は女性向けだとすこぶる評判が悪いが、百合勢からは全幅の信頼がある存在。果たしてどちらに転ぶか。
まあ封神演義にしろその他にしろ、この人以前に制作プランに問題がある感じの作品が多いのでこの人が悪いわけではないのだが。むしろ仕事を断らずやり切れる腕があるだけに無茶な現場にも駆り出されているというのが個人的見解。そしてこのアニメ、実はスタッフ情報が最近まで解禁されていなかった。何を狙っていたのか知らないが、もし制作がごたついているからなら、、、ナツコ女史の存在も頷けてしまう。
ロード オブ ヴァーミリオン 紅蓮の王
監督 菅沼 栄治
シリーズ構成 鈴木 雅詞
制作 アスリード / ティアスタジオ
スクエニの筐体ゲーが原作のアニメ。パチンコにもなっているらしいし、そっちの方からお金が出てきているのだろうか。
2030年の東京を舞台にした異能バトルものという雰囲気。一応ゲーム原作だがほぼオリジナルな無いようになるのだろうか。
制作会社アスリードに監督、構成は勇しぶの布陣。オリジナルものではあまり見ない制作体制だけに、どうなるか。アスリード制作という事でビッグオーダー路線を予想しつつ、スクエニが刀自ノ巫女を作ったという事実にも期待したい。
原作
はねバド!
監督 江崎慎平
シリーズ構成 岸本卓
制作 ライデンフィルム
講談社が本気で送る漫画原作アニメ。PVでのバドミントンシーンが本当にすごい。
アニメのイントロでは「青春もの」と言っているが、ネットで見かけるコマだと主人公の超人っぷりの方が目立っている。この辺の乖離はどういう過程を経ているのか。そもそもアニメでこのやばそうな主人公にまで至るのか。色々な面で楽しみな作品。制作のライデンフィルムの体力が心配だが、キリングバイツであれだけやりきってくれたから大丈夫だと信じている。
はるかなレシーブ
監督 窪岡俊之
シリーズ構成・脚本 待田堂子
制作 C2C
今期のきららアニメ。ただしフォワードの方。
背の高さにコンプレックスのある女の子と低さにコンプレックスのある女の子がビーチバレーのペアを組む話。「ペアの絆が大切」というスポーツの特徴から来るバディものの雰囲気を女の子だけの世界で描くことで百合にする。名作「つうかあ」に通じるこの世界の構築方法はやはり素晴らしいと思う。恋でつながるのもいいけど、絆と友情でつながるのもいいんだよな。
キャラデザ・作画監督としては有名だが30分アニメの監督は初めての窪岡氏と構成の女神待田氏。このフレッシュ×新人という組み合わせはまちがいなく面白くなるはず。制作のC2Cが30分アニメ初元請けというのは怖いが。
悪偶 -天才人形-
監督:ボブ白旗
シリーズ構成:加藤結子
制作 スタジオディーン
ついに現れた「霊剣山」を継ぐもの。霊剣山の衝撃から早3年経って遂に「あの霊剣山の~」という枕詞が聞けるとは、感無量である。霊剣山と同様に中国の漫画が原作となっているが、今回は現代を舞台にしたダークファンタジー。天才を人形にしその才能を自分のものとして意のままに操ることができる能力、という設定の特殊さが光る。中国原作ものと言いつつBSと同時放送枠というなかなかの好待遇であり、放送側の意気込みも感じる。監督はベテランで構成はドラマ方面の人らしいが、原作力の前にはあまり関係なさそうで期待の一作。
京都寺町三条のホームズ
シリーズ構成 山下憲一
アニメーション制作 アニメーションスタジオ・セブン
京都を舞台にした小説が原作のアニメ。元はエブリスタで連載されていたが、現在は双葉社から刊行されている。出自はラノベだが扱いはほとんど一般文芸といったところか。舞台が京都の骨董品屋でジャンルが日常よりのミステリーというオシャレ感が結構好みである。主人公が女子高生で助手ポジションで探偵役が細身のイケメンという組み合わせは若干少女漫画の感じもするが、主人公がかなり可愛いので男性が見ても普通に楽しめそう。
これだけだと落ち着きがあって隠れた名作になりそうだが、面白いのは制作陣。スタジオセブンはあいまいみー、佐々木監督はおじマシュ、構成の山下さんは血液型くんと5分アニメでの活躍が目立つ人が揃っている。更にいえばスタジオ・セブンはあの僧侶枠の始祖である「僧侶」を作ったところであり、その独特なセンスによるエロ規制を他のアニメに輸出するくらいまで極めているところ。初めて元請けした30分アニメが「王様ゲーム」という過去も考えるとかなり場違いな雰囲気がする。はたしてどのような仕上げになっているのだろうか。
ハッピーシュガーライフ
総監督 草川啓造
監督 長山延好
シリーズ構成 待田堂子
制作 Ezo’la
「題名にハッピーとか入っている作品がそのままハッピーなわけない」を地で行くような漫画が原作のアニメ。10年くらい前は一世を風靡していたが最近は熱も冷めきっていたヤンデレを主軸に据えている。というか主人公がヤンデレというのは一周回って新しい感じがする。さらにそこにサイコレズ要素も入っているらしくだいぶ楽しみ。
総監督に大ベテラン草川氏。構成がベテラン待田。ここまでは盤石の布陣だが、監督の長山氏がしょビッチ以来2作目。そして制作が実態の分からない謎のスタジオというなかなかフレッシュな顔ぶれとなっている。
初元請け制作は気合が入っている分名作になりやすいのだが早すぎたというパターンもあるので怖いところ。
七星のスバル
監督 仁昌寺義人
シリーズ構成 吉岡たかを
アニメーション制作 Lerche
ガガガのラノベが原作のアニメ。MMORPGをテーマにしているが、別にSAOみたいに抜け出せなくなったりはしない。「死んだはずの幼馴染とゲーム内で出会う」というジュブナイルファンタジーのような内容となっており、構成に吉岡たかを氏が入ってるのも頷ける。仁昌寺監督はLercheで仕事をすることが多い人。30分アニメは初監督らしい。このタイプの組み合わせは確実に面白くなると見ていいので期待したい。大穴狙いなら一番賭ける価値がある作品。
すのはら荘の管理人さん
sunoharasou-anime.com 総監督 大沼 心
監 督 湊 未來
助監督 井上圭介
シリーズ構成 志茂文彦
制作 Silver LInk
優勝、約束された覇権アニメ。一迅社のマンガ4コマぱれっとで連載されている漫画が原作。
見た目が可愛い男の子といたずら好きの管理人のお姉さん(巨乳)によるコメディという内容からはオネショタみが溢れている。「おっぱいに挟まれる少年」という公式ビジュアルは狙いすぎている気すらするが、それがいい。
総監督に信頼の塊、大沼心。監督が政宗くんやイリヤでシリーズディレクターをしていた覆面コンテマン、湊未來。構成に外れなしの男、志茂文彦。シルリン鉄壁の布陣と言えるスタッフが揃っており、期待しかない。個人的には絵面が既に18禁に足を突っ込んでいるのでエロに振りすぎない塩梅にしてほしいが、このスタッフ陣なら心得てくれているであろう。良原作揃いの中でも間違いなく外せない一作。
ちおちゃんの通学路
監督・シリーズ構成:稲垣隆行
アニメーション制作:ディオメディア
「面白い」に定評があるディオメディアが送るギャグアニメ。コミックフラッパーで連載されている漫画が原作となっている。ちおちゃんが通学するだけという内容らしいが、いわゆるシチュエーションコメディなのだろうか。狙ってるのか狙ってないのか分からない笑いを多く提供してくれることで有名なディオメディアくんだが、実は普通にギャグアニメも作れる。というかアホガールみたいなギャグ漫画原作アニメの方が一般には名を知られている。監督もディオメディアの主神「稲垣神」ということで、実況民的にも期待がかかる。
ゆらぎ荘の幽奈さん
監督 長澤剛
シリーズ構成 子安秀明
制作 XEBEC
ジャンプのエロ押し漫画が原作のアニメ。To LOVEるが無くなり、ソーマが真面目に戦うようになって枯渇したエロ枠に滑り込んだ印象だが、ついにアニメ化まで来た。
霊能力者の主人公に幽霊のヒロイン。それなりに感動話にもなりそうな組み合わせだが、女性だけの寮で主人公が暮らすというお約束はしっかり踏襲しているのが「分かっている」という感じ。漫画の方はいつ見ても肌色多めだが、アニメも同じくらいにしてくれるのだろうか。
To LOVEるの亜種、と言ってしまうと身も蓋もないが、監督の代表作に「クロックワークプラネット」を構成の代表作に「GJ部」をあげているあたりに分かり手の風格を感じる。子安さんがうまい具合に原作をまとめてくれることに期待。
ISLAND
監督 川口 敬一郎
シリーズ構成 荒川 稔久
脚本 荒川 稔久・堺 三保・あみや まさはる
制作 feel
グリザイアシリーズでおなじみのフロントウィングのゲームが原作のアニメ。グリザイアはエロゲ―だったけど、こっちは元のゲームも全年齢対象となっている。そのため声優もゲームでありがちな売れっ子揃いの布陣となっている。ゲーム版で声をあてていた村川梨衣が山村響に交代するという騒動があったがそれ以降は特に危ない話もない。名作メーカーfeel.にPSO2の川口監督、チアフルーツの荒川氏構成という神アニメになる予感しかない布陣。「未来からきた」という記憶喪失の主人公は少し癖が強い気もするが、期待したい。
Back Street Girls
backstreetgirls-anime.toeiad.co.jp
監督 今千秋
シリーズ構成 山川進
制作 J.C.STAFF
ヤンマガのどうかしている漫画が原作。「ヤクザが落とし前として女体化されてアイドルをやる」という設定、マジでどうかしている。
監督はひぐらしやロマンチカを担当した大ベテランの今千秋氏。構成がライトノベル方面をメインにしている山川進氏というのが特徴的なところか。
設定の奇抜さだけなら今期トップなので、出オチにならずに続いてほしいところ。
BANANA FISH
監督 内海紘子
シリーズ構成 瀬古浩司
制作 MAPPA
ひさしぶりに「本気」を感じるノイタミナ枠。同名の伝説的な漫画を舞台を現代に移してリバイバルアニメ化するらしい。アニメ化が発表されたときの原作勢の反響具合が怖いほどだったし、「舞台を現代に移す」と発表されたときの反響も凄かった。今のままではちょっとやそっとの出来だと原作勢の不満で押し流されそうだが、頑張って耐えてほしい。
監督がFree!の内海氏、構成にモブサイコやいぬやしきの瀬古氏、製作がMAPPAと布陣は申し分ないのだが、やはり原作が偉大すぎるのが辛いというか。
あそびあそばせ
監督 岸誠二
シリーズ構成 柿原優子
副監督 木野目優
制作 Lerche
ヤングアニマルのギャグ漫画が原作のアニメ。原作絵は普通に美少女っぽい、がアニメ公式のトップ絵はその原型もないほど振り切ってる。この辺の塩梅は岸監督の本領発揮といったところか。30分という枠は勢いだけでは攻めきれないためギャグ漫画には厳しいものがあるが、ベテランの柿原女史が構成に入っているためストーリーの面も心配はなさそう。副監督の木野目氏も岸監督とよく組む人なので相性の面も問題はなさそう。春のヒナマツリのようにギャグ漫画は当たれば強いので頑張ってほしい。
はたらく細胞
監督 鈴木健一
シリーズ構成 柿原優子
脚本 柿原優子・鈴木健一
講談社の推し漫画が原作のアニメ。コミックのCM用にアニメを作るくらいチカラが入っている。「体内で細胞が活動する様子を擬人化」というなんともニッチなところを攻めているのだが、絵柄がいいからかマンガづくりが上手いのか大人気らしい。アニメの方も制作・監督がジョジョの監督スタジオの組み合わせだったり放送時間が土曜24時のアニプレ本気枠だったりと気合の入り方を感じる。
百錬の覇王と聖約の戦乙女
監督 小林浩輔
シリーズ構成 高橋ナツコ
制作 EMTスクエアード
やったぜ僕らの異世界枠。今期はオーバーロードや異世界魔王など異世界枠が複数あるが、あっちがマッドハウスやら亜細亜堂と結構お高く留まってる制作なのに対してこちらはEMTスクエアード。ありすorありす、剣王朝、恋愛暴君と最近の制作物を見るだけで笑顔が出てしまう。
「異世界で覇王となった少年、その理由は」という感じのイントロダクションだが、PVを見ると「WIki調べて見つけた情報で無双」だと分かっちゃうのもこのアニメの出しているオーラにマッチしている。というか現実の方と電話がつながっている雰囲気すらあるのだが、はたして。
殺戮の天使
監督 鈴木健太郎
構成 藤岡美暢
制作 J.C.STAFF
ホラーゲームが原作のアニメ。元のゲームがネットでダウンロードできるフリー配布というのはラノベで言うとなろうに近い立ち位置なのだろうか?ゲーム方面は良く知らないが、人気のタイトルであるという事は間違いない。
ゲームの内容は「ビルの地下で目覚めた少女が途中で出会った殺人鬼と共に脱出するため地上を目指す」というもの。実にゲームらしいシチュだが、アニメだと少々イメージがつきにくい。「上を目指す」という目標だけだと少女終末旅行が思い浮かぶが、まさかロードムービーっぽくなるのだろうか。J.C.STAFFは今期だとラスピリのような安定した作品づくりに定評があるので、期待はできそう。
アンゴルモア 元寇合戦記
監督 栗山貴行
助監督 羽原久美子
シリーズ構成 ヤスカワショウゴ
制作 NAZ
タイトル通り、元寇をテーマにした漫画が原作のアニメ。角川のアニメは「ガチ」っぽいときと「間に合わせ」のときがあるが、こっちはかなり「ガチ」の方。神戸で先行上映会をしたり歴史考証もガッツリ入れたりと気合の入り方を感じる。文ストと同じくらいか。これだけ気合が入っているのに制作は「はじギャル」のときのNAZなのか、とも思うが。「元寇」という珍しい切り口の歴史ものは結構気になる。初監督にベテランのシリーズ構成という名作の生まれることが多い布陣でもあり楽しみな一作。
ぐらんぶる
監督・脚本・音響監督: 高松信司
制作 ゼロジー
アニメイズムの後半枠。バカテスの作者が原案をしている漫画が原作。一応ダイビングをテーマにしているが、ほとんど男子校のノリで進むギャグものらしい。ギャグに定評がある高松監督、DIVE!!で水着描写の経験があるゼロジー制作ということで順当な布陣というところか。内田姉弟が共演という事でワルブレ味があるところがちょっと気になる。
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術
監 督 村野佑太
シリーズ構成 筆安一幸
制作 亜細亜堂
みんな大好き、ライトノベル原作アニメ。レーベルはちょっとオシャレな講談社文庫だが、雰囲気はバリバリこっち側でなかなか好感が持てる。異世界に飛ばされたMMOゲームプレイヤーが覇道を極めるというあらすじもなかなか楽しそうである。ここまでだと「俺たちのアニメ」感が強いが、原作100万越えという結構な人気コンテンツだからか制作は意外と豪華。超老舗の亜細亜堂が制作で監督も亜細亜堂の関係者。そこにネトゲ嫁や少女終末旅行の筆安氏が入るということで、冗談抜きで「格」が違う。こっち側にも覇権側にも転がりそうな予感がする作品。
オーバーロードIII
監督 伊藤尚往
シリーズ構成 菅原雪絵
制作 マッドハウス
もはやおなじみとなったオーバーロードの続編。前期が半年前だったので分割2クールだと思うのだが「Ⅲ」とついて3期のような雰囲気を出している。
主人公が「魔王」と呼ばれラスボス然とふるまうという本作のテイストは異世界版のダークヒーローものの雛形と言ってもよいであろう。放映当時は物珍しかったが、今期には似たような作品がもう一つあったりとすっかり人口に膾炙されており、若干のマンネリ感すらある。とはいえアインズ様の権威が失墜したわけでもなく人気は盤石。制作陣にも変更がないので万が一にも外れはないと思う。流石にここから入るのは厳しそうだが、一挙などによる補完もあるので追いつくこと自体は問題なさそう。量は多いが。
銀魂. 銀ノ魂篇 後半戦
監修 藤田陽一
監督 宮脇千鶴
特に何も言うことはない銀魂の新シリーズ。漫画も終わりそうで終わらないけどアニメも終わりそうで終わらない。
進撃の巨人 Season 3
総監督 荒木哲郎
監督 肥塚正史
シリーズ構成 小林靖子
制作 WIT STUDIO
NHKに身売りされた進撃の巨人。NHKが入ったので制作面での失敗は提言していそうだが、あの内容を放送できるのだろうか?
中間管理録トネガワ
監督:川口敬一郎
シリーズ構成:広田光毅
制作 マッドハウス
何でアニメ化したのか、よく分かんないアニメ。カイジシリーズのギャグスピンオフが原作である。本来なら5分アニメくらいでやりそうな作品だが、なぜか30分という長尺。日テレはカイジの幻影にとらわれすぎなのでは。というか普通にカイジ作ればいいのでは。監督がギャグアニメには定評のある川口さんなうえに制作がマッドハウスというよく分からない力の入り方をしている。この原作にそこまで力を入れて大丈夫なのか。
つくもがみ貸します
監督 むらた雅彦
シリーズ構成 下山健人
アニメーション制作 テレコム・アニメーションフィルム
最近アニメに熱心なNHKが送る日曜深夜アニメ。作品に力を入れる前にMXと丸被りの放送時間帯をどうにかしてほしいんだが。
江戸の町を舞台にした人情噺漫画が原作というのは実にNHKらしい。「付喪神」が出るNHKアニメというとカスミンを思い出すオタクなので懐かしさもある。今期はピアノの森がウマ娘の裏で不完全燃焼だった印象のこの枠だが、今期もはねバドの裏でこの内容というのは辛いものがある。NHKはただでさえ放送開始が遅くて不利なのだから本当にかぶりをやめればいいのに。
ハイスコアガール
監督:山川吉樹
シリーズ構成:浦畑達彦
制作:J.C.STAFF
アニメ化発表か随分時間が経ってしまった感じがある漫画が原作のアニメ。本当にいろいろあったらしく、調べると著作権について詳しくなれる。兎にも角にも法律の問題をクリアして監修として協力してくれるまで良好な関係となったということで、満を持してのアニメ化らしい。
分類はギャグ漫画らしいが、ビジュアルは独特の「醜さ」がある。特に主人公の好きになれない憎たらしい感じ。原作の押切絵を上手いことアニメに落とし込んでいると思う。ここにキルミーの監督を務めた山川氏、構成に俺修羅や立花の勇者の浦畑達彦が入るという事で、なかなか期待できる。ごたごたでケチはついたけどまっさらなところからやり直しているようなので頑張ってほしい。
刃牙
監督 平野俊貴
シリーズ構成 浦畑達彦
制作 トムスエンタテイメント
問答無用のチャンピオン看板漫画が原作のアニメ。今まで何回かアニメ化されていてこれが何期目かもよく分からない。原作はストーリーやキャラを明確に知らなくても楽しめる普遍的な面白さがあったし、アニメもこっから見てよいのではないだろうか。
Free!-Dive to the Future-
監督 河浪栄作
シリーズ構成 横谷昌宏
制作 京都アニメーション
京アニの女性向けあたり企画3クール目。2期以降ずっと劇場版が続いていたのでテレビでやるのは久しぶり。しかし内容は劇場版を踏まえての高校卒業後、中学時代の因縁の話らしいので、見てないとだいぶハードルは高そうである。
監督も構成も劇場版の人が継続。初見はほぼ置いてけぼりそうだが、これだけの人気コンテンツなら問題ないであろう。