話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

 何年かぶりに参加します。年末年始にバタバタしすぎて毎年してなかったのですが、今年はコロナ禍で旅行とか無くなってちょっと暇になったので頑張りました。

 1アニメ1話は当然として、個人的レギュレーションとして面白に振らない真面目な話と面白に振り切ったアニメを分けて選びました(後半選択中)。映画も含んでません。

表(真面目な方)10選

アサティール 未来の昔ばなし 最終話(13話)「アスマの昔ばなし」

 2020年の隠れた名作、昔ばなしアニメの最終話。今まで物語の「語り部」だったおばあさんが「主役」となり、さらに今までの物語の登場人物たちがカメオ出演するように現実のなかに現れる。作中作のメタ構造が壊れることで、今を生きる我々もまた、いつか語られるお話の一部であるという壮大な思想が描かれていた。まさに「一切は物語」である。

魔女の旅々 最終話(12話)「ありとあらゆるありふれた灰の魔女の物語」

 秋アニメ名作の森の一作。楠木ともりの怪演とグロ描写が光る9話、魔女旅じゃないと成立しないレズ描写が濃厚な11話も迷ったのだが、本渡楓がんばったで賞の意味も込めて最終回とした。OP歌詞の「選びながら私になっていく」というフレーズを回収してくれたのも個人的にポイント高い。

いわかける! - Sport Climbing Girls - 9話「クライミングプリンセス」

 秋アニメが豊作だった証、いわかける!のアニメ。秋クール最高の女である内村茜による励まし煽りとそれに応えて復活する隼ちゃんが熱かった。Aパートで最高に悪い顔をして煽ってきたクライミングプリンセスさんの顔芸との落差も合わせて評価したい。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 11話「みんなの夢、私の夢」

 放送前より更に好きになった秋アニメから。今までのラブライブシリーズとは違うということが一番大きく出てきた回である。歩夢が侑を押し倒すラストも印象的だが、そこに至るまでに心が曇っていく描写が丁寧すぎるくらい丁寧だった。12話の解決方法の素晴らしさも合わせて観てほしい話数である。

無能なナナ 最終話(13話)「リバイバル

 今選んだらこれ入れるしかないでしょ、という回。暗殺者として偽りの感情を振り撒いていたナナさんが本気で泣いたらこちらも泣くしかない。百合アニメとしての上手さはもちろん、原作が中途半端なアニメに最終回らしい落としどころを作る上手さも加味して選出した。

SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!! 6話「ヒロネメシス」

 冬の自分を一番支えてくれたアニメ、ましゅまいれっしゅから。この曲が生まれるまでにこんなストーリーがあったことを知ってしまってからは、OPを聞くだけでなく体になってしまった。同じようにEDである「君のラプソディー」が生まれるまでの回とも迷ったが、ほわんとヒメコの初セックス(指と指が触れ合うシーン)が描かれていたので。

ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN 6話「復讐の猟犬」

 10年振りに会えたストライクウィッチーズの約束された神回。エイラーニャの代わりにシャーゲルハルトマン全部盛りという特濃アニメを出してくれた制作には感謝しかない。RtBの特徴である強すぎるネウロイとの熱い戦闘についてもたっぷり。

22/7 6話「偶数と奇数のあいだ」

 みんな忘れてそうな今年だったアニメ「22/7」からリーダーお当番回丸山あかねの過去が見えた回とも迷ったのだが、推しが両方出てくるのと帆風千春への餞別も込めてこっちを選択した。委員長気質のリーダーが「水着」というアイドルとして避けて通れない一歩を踏み出す話である。委員長のひも製造機っぷりなどが見えて良かったのもあるが、なにより個人的に丸山あかねがサイコロを貸す流れが好きすぎた。

グレイプニル 11話「決意の代償」

 結構好きだったアニメ、グレイプニルから。1つ前に放送された10話の夾竹桃を燃やすシーンの美しさとバトルの面白さのせいで影が薄いが、主人公が自分自身の手で人を殺すことでクレアと「二人で一人」となるこっちの回を選出。平気で人が死んでいくタイプの能力バトルでありながら「人を殺す」という行為にしっかり意味を持たせたことが個人的に印象的だった。

波よ聞いてくれ。 最終回(12話)「あなたに届けたい」

 ラジオ大好き人間なので、ラジオアニメは外せないということで。3.11の時にも1日中ラジオをつけていたこととか、まさに最終回で起こった北海道での地震の頃に現地でも放送されていたラジオ番組を聞いてたこととか、色々思い出されてしまった。自分の記憶と切り離しても、ミナレが「プロとしての自覚」を試されるシーンとか最高だった。