序文
夏が近づいてます。世間ではけものフレンズ旋風が衰えず続いておりますが、2017年春自体もここ数年でも類を見ない豊作のクールでした。毎週楽しみな作品が多く、春の余韻に浸っていたい今日この頃です。
とはいえ、熱い夏はすぐそこまで来ています。今年の夏は1日から注目作が始まる激熱のクールとなっており、感傷にふける間はないのです。
以下は春アニメについての、各作品の軽い紹介、勝手な予想となっています。深夜アニメ・30分アニメを基本にして紹介してるので、朝帯や夕方アニメ、5分アニメには抜けがいくつかあります。15分アニメ(今期だと徒然チルドレン、アホガール)も対象外です。公式等ソースの確かなものから得た情報を使うよう心がけていますが、基本は個人的なメモの延長です。なので主観と適当な予想が交じった雑多なものになってますが、今期アニメ視聴の参考になれば幸いです。前半がオリジナルアニメ、後半が原作モノになります。
原作ものとオリジナルは個人的に次のように分けています。
原作もの:別媒体で発表済みのストーリーをアニメでなぞる形式のもの
オリジナル:上記の原作もの以外。なぞれる原作がないもの。
ラ!みたいなキャラだけ固まってるメディアミックスやソシャゲのアニメ化もオリジナル扱いです。アニメ見てストーリーの展開が気になったときに先取りできるのが原作もの、できないのがオリジナルだと思って貰えればいいです。感覚で分けてるのであてはまらないものも何個かありそうですが。
文章を読むのが面倒な人はこの動画で確認してください。(例によって自分のあげたものではないですが
それでは参りましょう
オリジナル
アクションヒロイン チアフルーツ
監督:草川啓造
シリーズ構成:荒川稔久
アニメーション制作:ディオメディア
今年になって一気に増えたTBSのオリジナルアニメ。草川啓造監督にディオメディア制作というガーリッシュナンバーの制作体制を敷き、今回は原案者を呼ばず構成に荒川稔久を招いての「アクションヒロイン」ものとなっている。
アクションヒロインというのは変身ヒーローや魔法少女といった正義の味方のことではなく、地域活性のための企画の一つ。ご当地ヒーローと地方アイドルを合成したようなものであり、歌ったり踊ったりヒーローショーをしたりするヒロインユニットである。
地方都市を舞台に地域活性というテーマはサクラクエストと被るように思われるが、解決の方法に明確な違いがあり完全に別物。むしろ同じTBS深夜でやってたろこどる(普通の女子高生がろこどるめました)の方が設定的にも近い。構成の荒川氏が自信のメインフィールドである「特撮ヒーロー」というジャンルをメタ的に捉えた設定をどのように描ききるかに注目したい。
また、作品とリンクするように登場声優でユニットを組んでいるがこれがかなり豪華。超売れっ子のM・A・Oを筆頭にPixysの豊田萌絵・伊藤美来や元AKBの石田晴香、A応Pの広瀬ゆうき、everyingの山崎エリイとアイドル色が強いメンバーが揃えられている。ここに加えりえしょんや白石晴香さんもおり「ユニットで元を取る」という意思が強く感じられる。じゃあ30分の枠半分アニメで半分実写のアイドルメモリーズ方式にするべきでは。そもそもそもメンツが豪華すぎてスケジュールが合わなくて活動あんまりできてない。
TBSのオリジナルアニメは話題性に比して売り上げが伸びてないものが多いので、ここでがんばって取り戻してくれるか。今期オリジナルでは一番期待できるところ。
バトルガール ハイスクール
監督:秋田谷典昭
副監督:大石康之
シリーズディレクター:三宅和男
シリーズ構成:黒田洋介
制作:SILVER.LINK
すっかりお馴染みになったソーシャルゲーム原作のアニメ。女の子をタッチパネルごしにナデナデして気持ちよくさせて新密度を上げるというゲームシステムが特徴であり、そこを強調したCMが一時期問題になったりもしたあのゲームである。
世界観としては「謎の侵略者とそれを倒せる唯一の力を持った選ばれし美少女たち」というこの手のゲームでは定番中の定番のフォーマット。似たような設定だと冬アニメで同じゲーム原作だったスクールガールストライカーズが思い出される。アニメのスクストでは頭のおかしい単発話が印象的だったが、こちらがどうなるかは不明。構成に黒田洋介が入ってるのですごいしっかりした話になりそうだが同時にヴァルキリードライヴマーメイドのようなすごいものになる可能性もある。
縁結びの妖狐ちゃん
中国からやってきたすごいやつ。絵夢のPVで偉い人が自信を持って押していた作品であり、中国では原作・アニメともに絶大な人気を誇る。今までは絵夢が作ったアニメを流してきた土曜21時の枠で放映される
「人と妖怪が愛しあう世界」を舞台に、転生した人間にかつて妖怪と愛し合っていたころの記憶を蘇らせるという非人道的な妖怪に向けたサービスを提供する妖狐が主人公。
実はこの作品、スタッフも制作会社も中国であり、2015年にはbilibii動画で全話配信されている。今回はそれに日本語吹き替えを付けて流す形になっている。設定を見るに原作はかなり面白そうだが、セリフの間なども違う中、日本語訳がどれだけスムーズに行われているかが気になるところ。
プリンセス・プリンシパル
監督:橘正紀(ばらかもん 東京マグニチュード8.0)
シリーズ構成:大河内一楼
制作:Studio 3Hz・アクタス
「美少女スパイもの」という一部界隈にクリティカルヒットなジャンルのオリジナルアニメ。「東西に分離されたロンドン」という架空の時代設定の元、名門お嬢様学校に潜入している美少女スパイ5人の活躍を描く。
「職業:スパイ 任務:女子高生」というキャッチコピーがシンプルでかっこいいのが特徴的。スパイということでガンアクションも入ってくると思われるが、音楽が梶浦由記ということで「NOIR」「MADLAX」「エル・カザド」の美少女ガンアクション3部作のアトモスフィアも感じる。制作が信用のできるStudio 3Hzといろいろやらかしの多いアクタスというところが未知の領域だが、まず間違いなく面白いはず。ハードな世界観に対して黒星紅白原案のキャラをかなり忠実に再現したキャラデザのポップさにややミスマッチ感があるのは少しネックかもしれない。
THE REFLECTION WAVE ONE
http://thereflection-anime.net/sp/index.html
原作:スタン・リー
監督:長濱博史
脚本:鈴木やすゆき
制作:スタジオ・ディーン
謎の日米共同制作アニメ。あまり話にのぼらないのだが放送NHKというかなりvipな立ち位置。
リフレクションという謎の現象とそれによって能力に目覚めたものをめぐるヒーロー譚となる模様。PVから漂うアメコミ臭からもわかる通り、原作はマーベルの重鎮スタン・リー。冗談みたいだけど本当。そのため見た目のテイストは完全にマーベル作品。制作スタジオ・ディーンということで安定感がある。全貌が見えないのが不安だが、今期のダークホース的オリジナルアニメ。
活撃 刀剣乱舞
監督:白井俊行
制作:ufotable
女性向け大人気コンテンツ、刀剣乱舞のアニメ化。前にあった「花丸」とは全く別のアニメであり、スタッフも制作陣も全く違う。
監督はufotableのFateアニメ化作品等で作画監督をしていた人。今回が初監督だが、作画関係では有名な人らしい。
花丸が日常系だったのに対し、こちらは「活撃」とついているだけあってかなりしっかり戦うらしい。「戦闘シーン専門のアニメーター」や「時代考証」が立てられておりとても力が入っているが、構成脚本がいないというのがちょっと気になるところ。同じゲーム原作でもテイルズのときは「脚本 ufotable」と書かれていたが、なんの表記もないというのは怖い。順当に考えるとゲームの原作であるニトロプラスの関係者が書くのだろうか。
RWBY Volume 1-3: The Beginning
アメリカ発のCGアニメRWBYをテレビ用に再編集したもの。もとは劇場用の作品。
RWBY自体が人気コンテンツであり、面白さは保証済み。バトルアクションのド派手さも映画クオリティであり、これをテレビで楽しめるのは非常に贅沢なこと。
タイトル通り、序章に当たる三章のアニメ化のためほとんど続編の劇場版の宣伝になってしまう感じはあるが、それを差し引いても期待できる。
18if
総監修:森本晃司
シリーズ構成:冨岡淳広
アニメーション制作:GONZO
一時期CMでよくみたモブキャストのゲームのアニメ化。GONZOアニメ
ゲーム原作はゲームの持っている音楽を自由に使えるという強みがあるらしく、今回の作品もそのあたりはいかされている模様。原作は「パズルRPG」と名乗っているが、どの程度のストーリー性があるのかなどは全く情報が見えないところ、
監督という役職は置かず、かわりに総監修としてアニメーターの森本晃司が入っている。深夜アニメの監督はしてないが、アートディレクターとしてMVなどの制作にかかわっており受賞歴もすごい人。GONZOとの親和性も高い。構成の冨岡淳広も最近だとダンボール戦機を手掛けてきたようなベテラン。スタッフの豪華さでは今期随一といえる。ストーリーの内容がまったく分からないPVは不安だがはたして。
ひなろじ~from Luck & Logic~
監督:赤城博昭
制作:動画工房
ブシロードのTCGコンテンツ、ラクエンロジックを題材にしたアニメ。以前あったものの続編ではなく、同じ世界観の別作品となる様子。「ひな」のタイトル通り、一人前のロジカリストを目指す女の子たちの物語である。
前作がバトルメインのアニメだったのに対し、今回は学園を舞台に女の子の成長を描くという動画工房の得意中の得意分野。懸念事項があるとすればNEWGAME!!の2期とかぶっているところ。並行制作でも今までは特に問題がなかったところだが、やはり不安はすごい。あと監督が初監督なのも未知の要素。監督もひなってことで。
戦姫絶唱シンフォギアAXZ
監督:小野 勝巳
シリーズ構成 :金子 彰史
制作:サテライト
いわずと知れたシンフォギア4期。すでに5期まで決定しているらしいので、すこし規模の大きな話をすると思われる。すでに世界の危機とか何度も救っているのに今更規模の大きさとか言われてもなぁ・。
歌いながら戦うというコンセプトと勢いさえ保ってくれればとりあえずは満足だが、やはりここで一発熱い話も見たいところ。スタッフも2期3期とかわってないしクオリティについては期待できる。
コンビニカレシ
監督:伊達勇登 (NARUTO)
構成:ハラダサヤカ (スタミュ)
制作:スタジオぴえろ
TBSモクヨル前半枠。一応元ネタは角川とローソンによるメディアミックス作品の様だが、アニメのサイトの方に特に明記がないため、ほぼほぼオリジナルという事も考えられうる。仮にオリジナルとするとモクヨルの枠が両方ともオリジナルということになり、これは史上初の出来事になる。
女性向けの人気ソシャゲ「ときめきレストラン」のイラストレーターをキャラ原案に呼んでいるが、女性向けという感じではなくキャラクターの男女比は半々。内容も青春群像劇となっている。
監督はNARUTOを10年以上やってきた伊達勇登。制作もスタジオぴえろと、実は結構豪華な布陣。構成にはスタミュのハラダサヤカが入っており、青春ものというジャンルには定評がある。
原作あり
賭ケグルイ
制作:MAPPA (ユーリ・神撃のバハムート)
ガンガンJOKERで連載中の漫画が原作。
舞台は「賭博が許され、負けたものを奴隷とする階級制度がある学園」。非人道的な要素を持ったギャンブルものという定番ジャンルだが、主人公が「狂っている」と言われるやばい人なあたりが特徴的。原作1巻の表紙も黒髪の少女が笑みを浮かべている絵なのだが妖艶というよりも不気味や異様といった印象のほうが強く残る。
アニメのキャラデザだけを見るとそこまで怖い感じはしないが、制作はあのMAPPAであり、PVからもわかる通り相当の顔芸の多用している。
原作は6巻で一区切りのようであり、登場するキャラ的にそこまで話をする様子。消化スピードがポイントとなるか。
ナイツ&マジック
監督:山本裕介
構成:横手美智子
脚本:横手美智子・木村楊
ヒーロー文庫からのアニメ化作品その2。こっちもなろう出身。
プログラマーの主人公がロボットを魔法で動かす異世界に転生するお話。魔法でプログラミング、つまりよくわかる現代魔法!!
異世界転生にロボットものという欲張りセットな設定だが、制作もかなり気合いを感じる。OPがfhanaでEDが大橋彩香で監督が山本裕介で制作がエイトビットでロボットもの。完璧にコメット・ルシファーのリベンジマッチ。ここに更に構成で横手美智子、脚本で木村楊が更に加わっており、構成面はほぼ敵なし。更にCG担当にオレンジも入っていてガチ強い。原作ものではもっとも期待している作品。
ナナマル サンバツ
監督:大宙征基
シリーズ構成:柿原優子
ヤングエース連載中の漫画が原作のアニメ。タイトルだけだと何をテーマにした漫画か分かりにくいが、早押しクイズがテーマ。ただのクイズではなく早押しクイズというのがポイントであり、知識量だけでなく「より早く押す」というフィジカルな面での勝負が絡んでくる。そのためテーマのインドア感に比して内容的にはむしろスポーツものに近くなっている。
深夜アニメでは珍しい日テレでの放送。日テレは今期からこの枠を固定にして深夜アニメを放送していくらしく、この作品がその嚆矢となる模様。数は少ないがあたりの確率が極めて高いのが日テレ深夜の特徴であり、原作の人気も含めると非常に楽しみな作品。
メイドインアビス
監督:小島正幸(彼女がフラグをおられたら ブラックブレット)
副監督:垪和等
助監督:飯野慎也
構成:倉田英之
制作:キネマシトラス
竹書房の漫画サイトで連載中の漫画が原作。つまりあいまいみーやポプテピピックと同郷である。こう書くとやばいギャグマンガのようだが、本作にはそういう要素はまったくない。特徴は漫画というより絵本に近いまるっこいキャラクター、そして謎の遺跡アビスとそこに潜って宝を探す冒険家という独特の舞台設定。あと結構なグロ・ハードな展開があるらしい。“いちごましまろキメラアント編”と言われているとかいないとか。
制作のキネマシトラスと構成の倉田の組み合わせは卓球娘の再来ということで、話の雰囲気やストーリーづくりの手堅さには間違いなく期待できる。ただ監督に副監督助監督まで立ててるのは気になるところ。原作のカルト的人気に応ええられるのか、期待したい。
Fate/Apocrypha
監督:浅井義之
構成:東出祐一郎
制作:A-1 Pictures
最近流行りで金があるらしいFate関連のアニメ化。2013年から毎年夏はプリズマイリヤのアニメが放送されていたが、今年は劇場版を公開するので代わりにということか。
原作は無印のfateから見て外伝に位置する小説。通常のバトルロワイヤル方式の聖杯戦争と違い、今回は7対7の集団戦。相変わらず独特なキャラがたくさん出てくる。
監督の浅井氏はスタドラ、シャーロットの監督
構成の東出祐一郎はフリーのシナリオライターかつ原作者。アニメの構成は初めてだが、原作からのファンからしたら押さえてほしいポイントを外す可能性が極めて低い人選は嬉しいところだろう。制作のA1もFate関連では初めてだが、ここはスポンサーの金次第という感じが強いので、ガッツリ儲かってそうなこのシリーズなら問題はないはず。たぶん原作ありのなかでは一番注目度が高くなっていると思われる。
バチカン奇跡調査官
監督:米たにヨシトモ
シリーズ構成:水上清資
制作:JC.STAFF
ラノベと一般文芸のどっちに入るのかわからない小説原作の作品。角川ホラー文庫から出ているが、純粋なホラーではなく分類としてはミステリーになる。
タイトル通り、世界中から送られてきた「奇跡」の報告についてその真偽を「調査」する2人組の活躍を描くという探偵コンビもの。文庫の表紙を飾るこの2人のイケメンな雰囲気から考えると女性人気が強いのだろうか?
一般文芸よりの人気作品ということでオタク方面にはあまり評判は流れてこないタイプの原作だが、制作陣を見るにかなり気合いが入っている模様。JCの過去作の関係者の中でも原作ものに強い人たちがそろっている。
角川は氷菓以降、定期的に非ラノベレーベルな原作を何本かアニメ化しており、最近だとハルチカは外したがジョーカーゲームは相当なビッグヒットを当てている。この流れから考えるに、やはり女性受けしやすい路線で一般方面から原作を引っ張ってあてる流れを作りたいのだろうか。女性受けを狙っているといっても原作はしっかりとしたミステリーとして人気を誇っているということで、こういう骨太な原作のアニメが増えてくれることは歓迎したいところ。いい流れが生まれることに期待。
放送局にはWOWWOWも入っており、地上波より1週間も早く放送するということでここからも相当な気合を感じる。WOWWOWさんマヨイガのときもそんなことしていませんでしたか。
異世界食堂
監督・シリーズ構成:神保昌登
制作:SILVER LINK.
テレ東アニメの新しい刺客
7日に1回だけ異世界と通じるという不思議な洋食屋が舞台という小説原作アニメ。設定はなんとなく児童文学やゆるいファンタジーものに近いが、ヒーロー文庫から刊行されているなろう原産小説である。
「異世界」と「料理」という人気ジャンル2つを掛け合わせたいいとこどりのフォーマット。リゼロで異世界物を、孤独のグルメで料理ものをヒットさせているテレ東の番組ということで期待値は高い。原作となるヒーロー文庫は新進気鋭のライトノベルレーベルであり、ここでのヒットが次にかなりつながると思うので頑張ってほしいところ。
ゲーマーズ!
監督:岡本学
構成脚本:内田裕基
制作:PINE JAM
生徒会の一存の葵せきな原作のアニメ。一存は生徒会(というか生徒会室)が舞台だが、こちらはゲーマーよろしくゲームをする部が舞台。内容は葵せきならしい会話主体のハイテンションラブコメ。正直あらすじだけなら一存より面白そうだ。
制作はPINE JAM。「魔法少女なんてもういいですから。」や「月曜日のたわわ」を作っているところだが、30分アニメは初。監督の岡本学も初監督、構成脚本の内田裕基もアニメは初なのではじめてな要素がおおく未知数。原作の葵せきなだけが2回目のアニメ化。
「ラノベで一つシリーズをヒットさせた作者の新作」という立場は最近だとエロマンガ先生やゴールデンタイムが近い。初めてづくしだが事前CMの量からしてもファンタジア文庫のかけるものは重いと思われる。
恋と嘘
監督:宅野誠起
助監督:臼井文明
構成:高橋ナツコ
制作:ライデンフィルム
なんとなく少女漫画っぽいタイトルだが、正確には週刊少年マガジン編集部が関係している作品。「国に決められた結婚相手と初恋の少女の間で揺れるラブコメ」というややトリッキーな設定であり、ディストピア・管理社会系SFの側面もある。
監督から助監督・構成・制作まで座組は「うどんの国の金色毛鞠」と完全に一致。構成以外は山田君と7人の魔女と同じ。設定の訴求力では今期随一といった感じ。
セントールの悩み
総監督:追崎史敏
監督:紺野直幸
構成:待田堂子
制作:絵夢
モンスター娘のいる日常生活、アリスと蔵六に続く月刊COMICリュウ連載の漫画が原作。放送時間もアリ蔵と同じ時間になっている。
“ケンタウロスの女の子”である主人公をはじめとしたモンスター娘たちが出てくる学園日常もの。モン娘と亜人ちゃんの間くらいのモンスター感であり、肌の色などは人間で角がついたり翼があったり体が馬だったりする。
制作は中国からの刺客でおなじみの「絵夢」。日本の原作を担当するのは初めてであり、その実力は未知数である。えとたまの2Dシーン制作を担当したエンカレッジフィルムズが制作協力として入っているが、ひとりじめマイヒーローを作っている状態で果たしてどのくらい機能するのか。監督・構成ともに信頼の実績を持っており、期待できる。
将国のアルタイル
監督:古橋一浩 (るろうに剣心 HUNTER×HUNTER)
副監督:いがりたかし
シリーズ構成 : 高木 登
制作:MAPPA
月刊シリウスにて10年近く連載している漫画が原作のアニメ。少年将軍マフムートが帝国の侵略をしのぐべく奮闘するという、異世界ファンタジー戦記物。
最近だと名作ラノベアニメ「天鏡のアルデラミン」を思い出すファンタジーだが、魔法はないのでより戦記要素は強いと思われる。アルデラミンは残念な結果になったが、こっちは美形の男キャラばかりなので、うまくジョーカーゲームやアルスラーン戦記みたいに女性層を取り込んで成功してほしいところ。
はじめてのギャル
監督:古川博之
助監督:小川優樹
シリーズ構成:百瀬祐一郎
制作 NAZ (ドラマティカルマーダー・ハマトラ)
教えてギャル子ちゃん2期。ギャルヒロインものというジャンルはいつの間にか成長していたらしく、こうしてめでたく30分アニメまできたという感じ。「遊んでそうな見た目だけど実はお堅いところがある」というギャップがいいらしい。
DTを卒業せんがためにビッチそうなギャルに告白したら予想外に付き合えることになったというのがあらすじ。発想が童貞。そのためか最近では類を見ないくらいのエロ推し。おっぱい推し。生徒会役員共のラジオ、通称全ラで浅沼さんが言っていた「最近珍しいおっぱいおっぱいなアニメ」は十中八九これのこと(わからない人は6月23日配信分の全ラを聞こう)
メインヒロインであるギャル“ゆかな”の見た目が某アイドルゲームのカリスマロリコンギャルにかなり近い。というか要素を抽出したうえで再構成した感じが強い。この辺のギリギリなラインを攻めるキャラ造形から原作漫画の気取らない節操のなさを感じて好感が持てる。
NAZの過去作は女性向け中心だったが、絵的な面でのハンデはないと思われる。会社の公式サイトが見られない状態なのは一抹の不安を感じるが。
監督が魔装学園と同じということで、規制芸には期待できるところ。角川の水曜25時半枠らしい、お色気バカアニメになると思われる。
天使の3P!
監督:柳 伸亮
副監督:いわたかずや
構成:雑破業
制作:Project No.9
ロリコンのためのアニメ「ロウキューブ」の原作者、蒼山サグの最新作が原作。今度は小学生3人組とバンドする話。3+1じゃ4Pじゃないのか。3Pはスリーピースバンドのこと。制作のProject No.9と監督の組み合わせというとネトゲ嫁だが、それ以上に注目すべきは構成に雑破業が入っている点。最後に構成を担当したのは伝説のアニメ「帰宅部活動記録」だが、それ以降モバマスの神回やヴァルキリードライヴ・マーメイドの巨女回を担当してその名を馳せてきた彼の満を持しての登板に界隈ではものすごい盛り上がりを見せている。ネトゲ嫁の脚本も何度か担当しているので、監督との相性も悪くないと思われる。
妖怪アパートの幽雅な日常
監督:橋本みつお
構成:やまだやすのり
制作:シンエイ動画
まだ終わらなかったあにめのめ枠のアニメ。最近増えた一般文芸のアニメ化であり、こちらは講談社の人気児童文学がもとになっている。
あにめのめ枠ということで制作はシンエイ動画。そのため正直絵柄的には「ちょっと古め」という感じは否めない。
児童文学が原作というが主人公はいちおう高校生。あと男性登場人物多め。なんというか腐な人たち向けの雰囲気がそこはかとなく出ている。
ようこそ実力至上主義の教室へ
助監督:木野目優
構成:朱白あおい
制作:Larche
僕たちのMF文庫J作品のアニメ。なのにメインヒロインが変な髪色じゃなくて黒髪ってレギュレーション違反では。いつものMF文庫J特有の異世界ものとは違い、設定は現代日本。とはいえ舞台は「進学先も就職先も安泰で毎月10万ずつもらえる高校」というかなりファンタジーなもの。タイトルにある「実力至上主義」という言葉を掲げる学園の裏の実態というのがお話の重要な要素らしい。
ダブル監督はどちらもLarcheとは縁の深い人であり、MF文庫Jの人気コンテンツにかける気合を感じる。構成の朱白あおいは手堅い印象があるがはたして。なろう出身ラノベが特に多い今期において数少ない純ラノベ作品であり頑張ってほしいのだが、設定のしゃらくささが鼻につくのが気になるところ。
地獄少女 宵伽
監督:大森貴弘
構成:金巻兼一
制作:スタジオディーン
地獄少女の8年ぶりの新作。
新しく作るのは全12話中半分の6話だけであり、残りは過去放送分からセレクトして放送する。一話完結の単発形式だからこそできる芸当である。
監督が1期2期のころに戻ってその他制作陣は変わらず。新作と8年前の過去作を交互に流して違和感が出ないのかは疑問だが、不安要素はない。
ボールルームへようこそ
監督:板津匡覧
構成・脚本:末満健一
月刊少年マガジンで連載中のダンス漫画が原作のアニメ。ダンス漫画というとジャンプのすじピンを思い出すけど漫画としてはこっちのほうが先。そんなすじピンの作者が描くサッカー漫画、シューダン!好評連載中!!
原作は「スポーツ」としてダンス競技を描いているらしく、煽り文句にも「熱量」「青春」という言葉が躍る。
制作はProduction I.G 動きの激しさが要求される作品だが十分耐えうるだろう。監督は作画出身、構成は舞台脚本がメインフィールド。両氏とも初めての役職なので不安があるがPVなどを見るかぎり期待値は高い。
異世界はスマートフォンとともに。
監督 : 柳瀬雄之
シリーズ構成・脚本 : 高橋ナツコ
制作:プロダクションリード
HJ NOVELSから刊行されている、なろう出身のラノベ原作アニメ。AT-Xが最速でさらにBS11が最速(水曜25時)というかなり珍しいタイプ。あらすじなしでタイトルだけで導入の内容が分かるとても親切なつくり。
監督である柳瀬雄之は様々な作画監督を歴任してきた人だが、30分アニメの監督は初めて。そこにゆゆ式、俺物語の高橋ナツコを構成脚本に呼んでいる。最近多い作画出身者とベテラン脚本構成の人という組み合わせであり、名作になる可能性は高い。製作はプロダクションリード。聞きなれない名前だが、旧名「葦プロ」といえばだれでもわかるであろう老舗である。深夜アニメの元請けはかなり珍しいが不安はない。
「なろう出身」作品がかなり多い今期の中で一歩抜け出せるかどうか。公式サイトをスマートフォン推奨にしたりと変なところで気合は感じるが。
潔癖男子!青山くん
監督:市川量也
構成脚本:後藤みどり。
制作:スタジオ雲雀
ヤンジャンのギャグ漫画が原作。
モンスターストライクの監督に構成脚本の後藤みどりは鬼灯の冷徹などの人。制作はスタジオ雲雀。潔癖症のイケメンサッカー青年が主人公ということ以外は正直よくわからないが、どこら辺が人気なのだろうか。クールな変人イケメンが出てくるギャグといえばはんだくんや坂本ですが?が思い出される。
最遊記RELOAD BLAST
監督:中野英明 (青春×機関銃)
制作:プラチナビジョン
連載20年を迎えた、言わずと知れた名作漫画原作のアニメ。文字通り前世紀の遺物。
最初のアニメが2000年で、最後にアニメになったのが2007年ということで、10年ぶりの新作。
監督は中野英明、、製作がブレインズベースを母体にしたプラチナビジョンということで、だいたいと同じ布陣。機関銃がGファン原作でこれも元はGファンというのは奇妙な縁を感じる。
時間の支配者
監督:松根マサト
助監督:写楽斎
構成:横手美智子
制作:Project No.9
快進撃を続ける中国原作勢の一角。
内容的には「時間」をテーマにした能力者バトルものといった感じになっている。
中国アニメと聞くとまず思い浮かぶのは絵夢及びテンセントの関係作品だが、これについては出自が違う。翻翻という出版社からでている漫画が原作。テンセント系列との大きな違いは、すでに日本語訳をつけたものがジャンプ+で連載されていること。霊剣山などが日本ではまったく原作に触れることができないことを考えると大きな違いである。
翻翻の関係作品というと春アニメの隠れた名作「兄に付ける薬はない!」があり、期待値は高い。スタッフも豪華で気合を感じるが、Project No.9は天使の3Pと並行なのがちょっと気がかりなところ。
DIVE!!
監督:鈴木薫
構成:待田堂子
制作:ゼロジー
原作は2000年~2002年に発行されたスポ根小説であり小学生にも安心して読ませられる一般小説。漫画化も10年前にされているような作品であり、原作としてはだいぶ古いほう。ゼロジーがこの手の原作をアニメ化するのはバッテリーの時と同じ、というか放送枠もノイタミナだし「2000年代の青春小説をアニメ化する」というコンセプトがまんま同じ。Freeに便乗したわけでは決してないのかもしれないが、じゃあバッテリーのアニメが話題になったかというととても微妙。
正直、企画としてはFreeとバッテリーの悪いところばかり持ってきてしまった感じがするためいまいちな感じがぬぐえないが、そこは原作力を活かしてうまくカバーしてほしい。
NEW GAME!!
監督:藤原佳幸
構成:志茂文彦
制作:動画工房
去年の夏アニメ、NEW GAME!の二期。
去年からの続きであり、主人公の青葉に後輩ができたりするらしいが、まあとにかく今まで通り。
きららでは最近珍しい2クール目獲得作品であり、ぜひとも定着してほしいところ。ぞい効果だけでは厳しいので本当に頑張ってほしい。
ひとりじめマイヒーロー
監督:ひいろゆきな
構成:なるせゆうせい
制作:エンカレッジフィルムズ
高校教師と男子高校生、その親友という男たちが活躍する。直球BLアニメ。
魔法陣グルグル
シリーズディレクター:博史池畠(それが声優 AKIBA's TRIP)
副監督:渡邉徹明
シリーズ構成:奥居久明
かつてのガンガンの看板漫画の三度目のアニメ化。今って西暦何年だ。
リメイクものということでスタッフもキャストもガラッと変わっているが、ノリは変わらない様子。放送局も昔と同じテレビ東京なのだが、なぜ深夜にやるのかはよくわからない。これも時代の流れなのか。