夏アニメ 第1話感想 まとめ

夏アニメについて、1話についての感想まとめです。

↓の予想と合わせてお納めください。

ku-mal.hatenablog.com

 

順番はほとんど視聴順です

 

賭ケグルイ

  顔芸は期待通り、面白いより怖い、気持ち悪いの方向に振られていて満足なでき。

 話の方は導入に相応しい主人公の能力と学園の設定が分かるうまい配分。賭けている金額こそフィクションらしいぶっとんだものだが、ギャンブルの内容はイカサマ含めて常識の範囲内といった感じ。イカサマの仕方はバレバレだったがそれを見破る過程は謎解きのような緻密さがあり非常に良かった。最後があくまで運勝負というのも作品のテーマ性を示していたと思う。

  OPは映像のインパクトが強いが曲はちょっとうるさい感じ。

  EDはただヒロインが歩きながらびしょ濡れになっていくといつ演出の斬新さがある。

 

ひなろじ

  予想通りの日常系もの。アイキャッチを多用してテンポよく進んだため意外にコメディよりだった印象。変身シーンも可愛いので美少女ものとしては満足。

  授業形式の世界観説明は少しありきたりな感じ。のわりに「ロジカリスト」とかがなんなのかはよく分からないので説明より可愛さ雰囲気重視というところか。変身シーン

 

Fate Apocrypha

  アバンの戦闘シーンの作画で圧倒されたが、よく考えるとあの時間使って説明でもしろやって気はしなくもない。でもやっぱり凄いので文句はない。

  初見からすると普通じゃない聖杯戦争のさらに亜種と言われるわけだからわかりにくいのだが、それもまた一興。聖杯戦争の性質上、キャラについての説明をせず隠しておくことも許されるので必要な分だけ十分できた感じ。

 

活撃 刀剣乱舞

  大体予想通りの出来。設定の説明が多めなところも感じたが、戦闘シーンの迫力と美麗なキャラで突破した印象。狐が実質サポートAIだったのは予想外。あと突然出てきた美少年さにわもびっくり要素。花丸ではまったく姿を見せなかったが、今回それをやるのは難しいということだろうか。

  いつものUFOという感じの絵の雰囲気。

 

戦記絶唱シンフォギアAXZ

 相変わらず1話はお話とか関係ないお祭り騒ぎ。いきなり敵ボスとの対決が派手に始まりそうな終わりかただったのは少し違いか

  話がどうこうより台詞一つ一つのインパクトが強い。演出もノリと勢いとインパクトがすべてといった感じ。一話で空中要塞を殴って壊す。

  ひとつしかない虎の子のリンカーを一話で使ってくるのももはやギャグだが楽しい。

 

 

ナイツ&マジック

  ロボット大好きショタかわいい。

  話はわりとサクサク進みつつ世界観や設定もザックリと分かるので悪くないのだが、いまのところプログラマーという前世のスキルが活かされてる感じがないのはいまいち。魔法とプログラムは同じというけど具体的になにがどう同じなのか分かるエピソードないのはどうかと思う。今後に期待したいところ。

 

潔癖男子 青山くん

 「きれい好きな男子」という設定をギャグ的に深化させた結果としての「潔癖男子」なんだろうが、潔癖症という割とガチの症状をギャグめいて使われるのは個人的にダメ。潔癖の設定があいまいなのもシチュエーションコメディとしての完成度を下げてしまっている。ほぼもう一人の主人公でツッコミ役のキャプテンもうるさいだけのボンボンて感じで好感度がまったくない。

 「潔癖男子」という設定が女子の「きれい好きな男子」がいいという欲望の投影のように思えて仕方ない。しかし、それはいままで「オタク趣味に理解ある女子」とう欲望を使って「オタク(ギャルゲー好き。萌えアニメ好き)女子」というキャラを作るという形で男子がやってきた消費行動と全く同じである。過去の行いが今自分たちの目の前で形を変えて繰り返されているとう事実にはあきれとも恐怖ともいえる感情が浮かんでくる。

 

バトルガールハイスクール

 印象は薄いが悪くはないという感じ。この人数の登場人物を無理やり名乗らせたりすることをあきらめてキャラの横に名前のテロップを出す手法をとっており、こういうところはアニメらしさを活かしている印象。「星守り」とか「神樹」といった用語については説明を放棄しており「なんか攻めてくる存在とそれと戦う少女」という構図だけわかればいい作り。多すぎるキャラについても特に整理をかけることもなく戦闘とアイドルライブの前半から生徒会長キャラと問題児キャラのショートエピソードの後半へと進んでおり、初見は置いてけぼり感がある。ラストで謎の新キャラが出てきて引きというのも初見には厳しい演出。

 

恋と嘘

  一話は完全に序章のつくり。結婚相手が政府から通知されるという設定を丁寧に説明しつつ、更にそれがどのように享受されているのかということも示している。とはいっても本筋が恋愛ものなため、この辺の設定についての掘り下げや詰めかたは控え目。主人公が通知を前に片想いの人に告白するという流れは自然だと思うが、設定自体の特殊さに気がいってしまって乗れないところがある。

  主人公が片思いをしていたヒロインは可愛いが、実は両思いだったというのはかなり都合よい感じ。主人公を好きになるきっかけの部分も外側から見ている視聴者としてはいまいちついていけない。前提条件として流してもいいところではあるが。

  主人公へ来た謎の通知と決められた恋人というもう一人のヒロインへの引きを作って一話は終わり。お話としてはここからなのでどうなるか。できるだけ制度自体の特殊さについて掘り下げをしつつ話が進んでくれることを願うが、その辺全部飲み込んで見ることも必要かもしれない。

 

異世界食堂

  いい雰囲気の一話。一日の〆に相応しい早すぎない語り口と丁寧な描写がなされている。

  基本的な設定は「週に一回だけ異世界とつながる」だけなので話の大半が異世界に存在するものや客の描写になっていた。要となる飯の絵、食事のシーンがしっかりと作られているのでお話自体の進展がなくても見てられるのはよい。

  今後、一話完結の話を続けるのか大きな話が始まるのかは分からないが、どちらでも問題なくやっていけそう。

 

ナナマルサンバツ

  原作が人気なだけあって、基本的なストーリーやキャラは良くできている。導入で主人公の引っ込み思案なところを出しつつ、テーマとなる競技クイズを通してその殻を破り、ラストで成功体験をしめす。スポ根ものとしては基本通りのプロットである。

  主人公が本好きなのに図書室で弁当を食べていたところは置いておいて、問題はヒロイン。演技がひどいというのは置いておいて、台詞の大半が説明なので人間的な魅力が伝わってこない。見た目てきな華やかさというか、可愛さもいまいち地味なところ。美人系のヒロインなのでこれからに期待というところか。画面にいるだけで映えるような存在ではないので、演技の部分が改善されないと厳しい。

 

最遊記RELOAD BLAST

 前のシリーズ未視聴でも案外楽しめる。

 妖魔とかの設定の細かいことは分かんないけど、旅の凄い強い一行だということが分かればいいだけなので話は早い(

 お話の肝心な部分、村の閉鎖的な雰囲気と狂った女の子の寓話的な繋がりに関しては正直なところ雑。少年が唐突に皆に語りかけるのはまだいいとして、村人の態度は急に変わりすぎる。

 

DIVE!!

 なんだかパッとしない。ノイタミナアニメらしい鼻につくくらいのサブカルさがないのはいいが、正当派なエンタメ要素も薄い感じ。スイミングスクールの経営危機という形而下にある課題に対してなにか具体的な対策の萌芽すら見せず謎の美女の登場と東京オリンピックという言葉で締められても困る。特に東京オリンピックという表現は現実世界の諸問題を思い出させる割に達成目標としての難易度が分かりにくいのでかなりチョイスミスに感じる。まだ全国大会とかの方がおきまりではあるが漠然と達成のしにくさがある表現だと思う。

 青春ものの重要なテーマである形而上的な要素も中途半端。憧れの存在と自己を対比する描写はいいのだが、その卑小なる自己が何故か女の子から告白される上にそれをふっているのは意味がわからない。というかcv日高里菜の可愛い幼馴染みと付き合わないで男に走るとかホモでも許されない。一応、彼女と向き合うことは自分自身と向き合うことを必要とするため、成長描写のひとつとして機能することになるのであろうが、正直それをやるにはこの女の子が破格に可愛すぎる。こういうことに使いたいならもう少し地味なり野暮ったさなりがあった方がいい。そうすると今度はヒロインとしての価値がなくなるので難しいのだが。

 絵面の違和感も強い。体の細さに対して筋肉の影の書き込みが強すぎるせいか、水着姿の少年がみんな不健康なガリガリに見えてしまう。Free‼のような肉体美を表現したいのかもしれないがかなり痛々しい。見ていて辛い。

 

コンビニカレシ

 始まり方が男×男でBLっぽさがあったが、内容は普通の恋愛もの。前半のくだりはいまいちだったが、後半、委員長が出てきた辺りからは加速度的に面白くなった感じ。特に委員長のアドバイスからヒロインと主人公が接近する流れは群像劇ならではの人間関係の複雑なネットワーク描写の一端が感じられてとても好みだった。

 これからの展開に期待したいところだが、不安な要素もちらほら。

 主人公とヒロインよりもチャラ男と委員長のカプの方が分かりやすく興味が沸くのは本末転倒な感じがする。更に問題なのはタイトルにあるコンビニでの描写がいらないところ。というかわざわざコンビニを絡めんとして話に無理があるところがあり、足を引っ張っている。コンビニ内のスケール描写がおかしなことになっており、陳列棚と陳列棚の間が明らかに広すぎるしレジ前にも謎の空間が広がっている。終始これらの空間的なおかしさが気になるのでコンビニいかない方が落ち着いてみられる。このコンセプト段階からのミスが今後解消されるか自然に受け入れられるようになることに期待。

 

アクションヒロインチアフルーツ

  今期のトップオブトップ。単独でひとつ記事を書きたいくらい。

  導入からアクションヒロインものが大流行してる世界という狂った設定をぶつけておいてからの架空の特撮テーマソングという体の特別OPで問答無用に理解させる力の脚本。そこからの妹のためについた姉の優しい嘘とそこから始まるヒーローショーの自作という自然な展開を見せる技の脚本。力と技の相乗効果で紡がれた彼女たちのショーが盛大に盛り上がった後、矢倉の倒壊というスラプスティックなオチで派手に終わるまでの流れは気持ちよすぎるくらい良くできている。EDをカットして語られる「このまちのアクションヒロインになってくれ」という話全体の目標提示も極めて自然であり、この一話の完成度の高さを感じる。

  キャラについても随所に光るものがあり、特にメインとなるアクションヒロイン大好きな元気っ子は今期ナンバーワン女性主人公と言っても過言ではない。並外れた身体能力にあどけなさの残る体躯、無垢な笑顔、それでいてショートカットが似合う素の美人力。Cv担当する伊藤みっくのぶりっ子にならない素の状態で振り切った可愛さ溢れる声質も彼女の魅力を最大限引き出しており、はまり役中のはまり役。

 

時間の支配者

 冒頭のバトルシーンの激しい動き方から一転しての本編の止め絵の多さ。激しい緩急の付け方からは厳しい制作状況が伺える。

 内容もおかしなところ多数。しかしそれが癖になる。時間を食われるという設定のためだけに若返った上に死んだ女教師に、その教師の変容を説明するためだけに不自然すぎる言い回しでセクハラする教頭先生。一話使い捨てのキャラの扱いが本当に使い捨てのビニール袋みたいで笑ってしまう。ヒロインの背景描写となる兄との思い出についても構成の都合で時間的にバラバラな位置に散らばっていたため同じこと二回繰り返してる感じする。

 後半はなかなか味わい深いでき。原理がよくわからないけどとにかく見た目のかっこよさがある。いまどき「お洒落な装飾だらけの日本刀」や「トランプ」 を武器にするという恥ずかしくて誰もやってくれなかったことをやってくれた戦闘シーンは少年心をバリバリ刺激してくれる。「マッハ10で撃ち出されるトランプ」というどう考えてもトランプの強度がおかしいことになってるケレン味溢れる台詞もたまらない。ヒロインへのお説教台詞の挟み込み方が戦闘の流れをたちきるように入るのはダメな読みきり漫画のようだが、そこもまた面白ポイント。

 全体的に見てギャグパートのノリがよくわからないため滑り芸じみてるが、ラストに明かされる主人公二人組の関係の秘密はそこそこ驚き。自分より若い見た目をして日々幼くなっていく父親というのは「一日毎に年齢が若返る」という設定から思いきってひとつ踏み込んだ感じがする。この「幼い=権威のない父親」という設定の持つ意味合いは父性に重きを置く儒教的精神が色濃く根付いている中国では我々の想像以上に重いのかもしれない。まあただの想像だけど。

 

メイドインアビス

 オリジナル最強がアクションヒロインチアフルーツだとしたら原作もの最強はこっち。ラストシーンのアビス。夜明けの訪れる町。一時停止して眺めているだけで一日中楽しめそうなくらい細かく書き込まれた繊細な背景描写から生まれる空気感がたまらない。よく動く丸っこいかわいいキャラがいつついきなり出てくる骸骨などの世界観の提示の仕方も上手。

  お話としてはロボットを拾って持ち帰って来たところまでなのでそれほど進んでないが、そこまでの中にアビスという存在の特異さ、過酷さ。リコたちの置かれてる立場、その心境や目標などを自然に説明しており物足りなさなど欠片もない充実の内容になっている。

  冨田さんの演技はドンピシャ。少しでも深部を目指すひたむきさ、純粋さがありつつ女の子的な可愛さが適度に含まれている。これは冨田さんの低めの声質がなせるものであり、他に換えられる配役を思いつかない。

 

将国のアルタイル

  中東のような雰囲気に合わせて一つ一つの用語が特殊なカタカナ語で表されており、テロップのふりがなを見てないと分からなくなる。ただ、そこを見てれば問題なくついていけるようにはなってるのでその辺の出来は悪くない。個人的には淡々と話が進んでおりかなり駆け足気味に感じた。特に主人公の「戦争を回避したい」という信念の背景についてはもっと描写がほしかった。なんとなく「その辺説明しなくても気持ちわかるよね」と言ってる感じがしてしまう。話のペースを考えたらツメツメにする必要があるのもわかるが、それなら詩集落として勝手に読まれるくだりとかダンスシーンとかもうちょっと削れたのではとも思われ、配分が気になる。

 

ひとりじめマイヒーロー

  前半は男に興味がなさすぎて退屈だったが、後半の二つの話が絡み合い始めたところは意外に楽しめた。主人公のウダウダがいらっとくるところもあるが、ここからだろうか

 

セントールの悩み

 原作ものダークホース。言っちゃ悪いがクソみたいな特番からは想像だにしなかった丁寧なアニメになっていた。

 キスシーンから始まる強烈なつかみにノックアウトされた。前半は姫のかわいさと希のかっこよさに焦点があった演劇のお話。「体の違い」という非日常要素を使った小ネタがエッジになっておりテンポを整えつつ独特の空気感を作り出している。Aパートラストの希の台詞は乙女回路をショートさせる破壊力があり、桑原さんにはスタンディグオベーションを送りたい。

 更にそこからの後半、多彩な見た目のキャラクターたちが共存する世界の成り立ちを説明する授業。進化の過程には漫画的な強引さがあったが、形態の差異の度合いをもちだして現代社会への強烈な皮肉に変えているところは強烈。まったく予想してなかった位置からの一撃だけに驚きは大きい。さらにこの皮肉が逆に「現実でも難しいことがさらに難しくなっているこの世界でどう成立しているのか」という疑問に置き換わり、次のマラソンの場面で「形態差別」「思想矯正」という不穏な単語が入ることで具体的な説明なしでなんとなく察せられるところも見事。普通に説明したらディストピアものになりそうな世界観が、あくまで少女たちの目を通して見える日常のなかで遠景に見えるように配置されることでマイルドになっている。直接的に言及せずにこの世界の危うさを描くことはこのあと姫が全力でダッシュして車と事故しかけるシーンでもされており、全体としてなにも言わないのに奥行きのある世界が見てとれるようになっている。原作の力も大きいが、このエピソード配置を行った構成の巧みさの賜物とも思われ、称賛に値する。

   EDも特筆すべき名曲。今期のEDのなかで最初に脳内エンドレスリピートされている。

 

ボールルームへようこそ

 I.Gの作画力が活かされている。話としてはパターン通りといったところ。講師役のプロがあまりいい性格をしてなかったのとヒロインがかなりピリついたガチ勢だったところは新鮮味がある。導入がちょっといつも通りという感じがするのでここからどう転がるのかというところ。

 

天使の3P

 幼女がかわいい!優勝!!

 孤児院の地下に高そうなヴィンテージの楽器が大量にあるってそれ知られたら消されるタイプのやつなのでは?と思ったりもしたが、そういうこと全部忘れさせるほどキャラがかわいい。造形はもちろんのこと、ワンカット毎の切り取り方にもこだわりが見えるのがポイント。耳の裏と首筋、膝下、膝裏というマニアックな部分にカメラを持って行ったり、顔の下半分が隠れるよう画面の下側の角にキャラを映すことでキャラの小ささを演出したりと様々な技法が駆使されている。ラストの「好きにしていい」というシーンもお決まりのパターンと分かっていても興奮してしまう出来になっている。キャラ造形も完ぺき。引っ込み思案な銀髪ロング、ちょっと大人ぶったツンツンお嬢様的な紫がかった黒髪、眠たげでマイペースな茶髪ショートカット。視認性の高い色分けと抜けのない属性配分であり、ポイントがしっかりと押さえられている。

 ストーリーについては主人公の境遇説明からのボーイミーツガール、「バンド演奏がしたい」という目標の提示という順当な流れ。しかしキャラを端的に表すエピソードの作りが良い。特に「せっかく店主が話しかけてくれたのにイヤホンガンガンさせていて全く聞き取れてない主人公」というワンシーンだけでこの主人公の排他的で内向的な面を切り取って表しているのはうまいと思う。ストーリーの中ではあまり目立たないが雑破業先生らしい遊びはサブタイトルや次回予告などで健在。ネタのチョイスが古すぎるけどロリコンってだいたいこのくらいの世代が多いのか。

 ひとつ弱い面があるとすればキーとなる音楽。演奏シーンの絵には気合を感じるが、曲自体は凡庸というのが正直な印象。ガルデモ・HTTといった過去のアニメ内バンドの曲と比べるとパンチ力が足りない。きらきら星のほうがインパクトはあった。

 

アホガール

 15分に4話という詰め込みが話のテンションにあっている。設定も背景も特に考える必要なく、あほのよしこのあほぶりを頭空っぽにして見ていればいいのでとても気楽。委員長のエロさなども分かりやすく描かれており、キャラ把握も非常に簡単である。そして見た後に何も残らないのも大変よくできている

 

徒然チルドレン

 アホガールとセットでみるのがおすすめ。アホガールで空っぽにした頭に甘酸っぱい青春恋愛をひたすら詰め込んでいく15分となる。

 様々なカップルのショートエピソードがひたすら展開されるのでキャラの把握はどうしても難しくなるはずだが、どのキャラもうまくテンプレートを使いつつシチュエーションで簡潔に説明しているので非常にわかりやすい。オムニバス形式の要を心得ている感じがする。

 

魔法陣グルグル

 若干ギャグのノリが古いが、テンポよく進むので割と楽しい。石上さんのニケが予想よりしっくりくることと、小原さんの演じるくくりがかなり可愛いということで配役は完ぺきに思う。

 

ようこそ、実力至上主義の教室へ

 いろいろきっついところが多々。実力至上主義云々の設定から始まって全体に漂う社会に対して斜に構えたような雰囲気、露悪的なことをリアルだと言ってはばからないような感じがきつい。この空気感がアニメの中でボケることなくしっかりと描かれているのでアニメとしてのできはとてもいい。いいだけにダイレクトに空気感に“あてられる”のでやばい。

 空気感の話は置いておいても異様にテンションの低い主人公や「進学も就職も自由自在という学園」といったそもそもの設定が合わない人には合わない。とりあえず実力至上主義と言っておいて連帯責任が基本みたいなシステムは「実力至上主義とは?」となってしまうので僕は合わない。ただこの先この設定がどういう風に転がるかは興味がひかれる。

 

はじめてのギャル

 よう実の空気を一瞬で変えたすっごいアニメ。この枠ならではの技巧派な「規制芸」と共に無駄にエロい絵面を惜しげもなく出してくれる。浅沼さんの演じる童貞臭い演技もたまらなく面白い。よう実までの暗い空気を味わった後だと余計に面白くなるため、セットで見ることが推奨される。

 

異世界はスマートフォンとともに

 今期もっとも話題に(いろんな意味で)なっているアニメ。今までにない視聴体験が得られる。

 「テンプレ」とか「なにも困難がない」とか「若者の感性は意味不明」とか言われているが、実際のところこのアニメは既存のアニメとはまったくちがうものとして作られている。いろいろ言いたいことはあるが詳しくは個別記事で。ただ言えるのは1話は特に説明に徹するため2話以降よりチュートリアル感が強いということくらいか

 

バチカン奇跡調査官

オカルトアニメ。冒頭の人間浮遊から始まって悪魔崇拝、処女受胎。そこに猟奇的な殺人まで起きた上に最後は涙を流すマリア像と普通じゃないことが大量に起こる。そういったひとつひとつの要素の濃さに加えて異様な見た目で人が死ぬ感じは横溝というか金田一的。起きている「奇跡」の絵面が映えるのでアニメにはむいているとおもう。説明より雰囲気の方を優先しているというか、元々の情報密度が読み返しを前提としている小説

 

18if

 1話。以降の各話監督制に備えて夢世界の基本的な設定を説明する回となっていた。「魔女は心の闇を抱えている」「魔女を倒さないと夢から出られない」という設定はまあよくわかる。しかし「なぜこの世界に彼らはいるのか」「主人公はどういう生い立ちなのか」といったそもそもの疑問になにも答えが出てないため、話としてはかなり不親切。とはいえルールの部分は具体例も含めて示されているので悪くはないが。

 

ゲーマーズ!

 なんだかおかしな1話。せきな節ともいえるハイテンションなボケツッコミのやり取りとバックボーンのやたら濃いキャラは懐かしさを感じるが、テロップを使ったネタバレ演出はかなり謎。ゲーム部への勧誘をされ、それを断るという話の流れは導入としてはまずまずなので、ここからに期待。

 

地獄少女

 1話からひたすら暗くなるつらい話。個人的にデジタルネイティブでもないのでLINEでのいじめとかの話はいまいち理解できないというか、実害がなければほっておけばとも思う。がしかしそれでも辛くなる救いのなさはやはり素晴らしい。

 

プリンセス・プリンシパル

 今期最強のオリジナルアニメきたるといってもいい、堂々の1話。夜の街に浮かび上がるケイバーライトの光を纏った少女。カーチェイスからの重力操作を使ったアクションシーン。冒頭数分のシーンだけでも最高に盛り上がるのだが、そこからさらに「壁を越えたい」という依頼から始まるスパイサスペンスが最高。裏の裏をかきつつ人間の死もいれつつラストは少しビターなハッピーエンドにするストーリーテリング。そこにたっぷりと絡まってくる映画めいた言い回しのやりとりがたまらない。文字におこしてもたまらないやり取りだが声優陣の演技が実にはまっているので何度もリピートしてしまう。とにかく好きな人にはずばずば刺さる内容であり、チアフルーツと並ぶオリジナルアニメ最強の一角といっていい。

 

The REFLECTION ONE

 最後の最後にやってきたトンデモ案件。PVでも独特な絵柄だったが、実際に動いている姿はさらに強烈な個性を発揮している。背景と人間を分けるための輪郭線を極力取っ払ったうえに色の塗り方も均一にする、というアメコミ特有のヴィジュアル。それがそのまま動いているというだけでも普通のアニメとくらべるとかなり異質。さらに動き方そのものも日本のアニメでよくあるスピード感のある動きとは全く逆で、非常にリアルな動きになっている。というか、ストレスになりかねないくらいギリギリの度合いでもっさりしている。たぶんマーベル作品で言ったら実写のヒーローたちのほうが華麗でスピーディーなアクションをしている。そのくらいゆっくりとした動きなのだが、これは決して手抜きではなく確実に意図があって行われている演出である。それは風にたなびく髪や旗の細かい動きがしっかりと描かれているところなどからもわかる。おそらくこの動きは原案のスタン・リーが頭の中で描いていた「本当のアメコミヒーローたちの動き方」なのではないだろか。

 とはいえ、スタン・リーの頭のなかではこれが正解でも、見ていてかなり違和感があるのも事実。慣れると悪くはないが、他のアニメと比べるとどうしても快楽的な要素が弱い。戦闘シーンの魅力が薄いところはストーリーで補ってほしいところだが、動きの遅さは話運びの遅さにも繋がっている印象。1話はほぼ導入に必要な説明だけで終わっており、本題はこれからか。