序文
新年度になりました。冬アニメだけでも結構裏被りが多かったのに、春からの編成は本気でお互いに潰しあっていて、草も生えません。
以下は春アニメについての、各作品の軽い紹介、勝手な予想となっています。基本的に深夜アニメ・30分アニメを紹介してます。最近は配信限定とかありますが、実況勢なのでテレビ放送しているものだけでやってます。
オリジナルと原作ものは個人的に次のように分けています。
オリジナル:上記の原作もの以外。なぞれる原作がないもの。
原作もの:別媒体で発表済みのストーリーをアニメでなぞる形式のもの
上記の理由から、ラブライブ!のようなキャラだけ固まってるメディアミックスやソシャゲのアニメ化もオリジナル扱いです。アニメ見てストーリーの展開が気になったときに先取りできるのが原作もの、できないのがオリジナルだと思って貰えればいいです。
この記事は私見バリバリなので、情報だけ欲しい、5分アニメ、朝帯のアニメもカバーしたいという方は「つづきみ」のサイトやアニメイトさんのまとめをどうぞ。
ここでなら今期作品のPVをほぼ全部見ることも可能だったりします。合法的に。
オリジナル
HIGHSPEED Étoile
今期のTBSアニメイズム枠。スーパーフォーミュラ協賛による、ガールズ自動車レースものとなっている。
キャラデザが藤真拓哉でめちゃくちゃキンレコっぽいのだが、Yostarなども絡んでいるからか放送枠がキンレコのいつもの枠ではない。むしろ、キンレコ枠の夜クラゲの方がアニメイズムっぽい気がする。もしかして、入れ替わってる!?
冗談はさておき。各チームに実際の企業が協賛で入って広告を載せているなど、某タイバニを思い出させる側面もあり。ぜひあちら同様に大ヒットして2期劇場版まで行ってほしいところである。後、まほあこのマジアベーゼだった人がこちらでも主人公しているので、まほあこ視聴者も見よう。
終末トレインどこへいく?
水島努監督のオリジナルアニメ。異変の起きた世界を舞台に電車で女子高生たちが旅をするという不思議世界観が売りとなっている。
とにかく、水島努に横手美智子という安定感しかないメンツが良い。「終末」がどの程度終末なのかなど気になるところもあるが、その辺あまり言及しないあたりも計算だろう。オリジナルアニメですら事前宣伝で差が出てしまう厳しい昨今ではあるが、内容一発で逆転できるポテンシャルはあると思うので。序盤のキャッチーさに期待したい。
アイドルマスター シャイニーカラーズ
- 企画・製作・原作:バンダイナムコエンターテインメント
- 監督:まんきゅう
- シリーズ構成・脚本:加藤陽一
- アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
みんな大好きアイドルマスターの新シリーズのアニメ。
既に劇場で放送されているものをテレビ版に編集して放送するし、CGアニメなのでクオリティ落ちの心配は全くなさそう。どちらかというとゲームの方が重厚な個別ストーリーとやたら手の込んだ一枚絵で名を馳せていたため、その強みをどうやってアニメに落とし込んだのかが気になる。劇場で見てきた勢の感想があまり大々的に流れてこないので少し不安だが、おそらくはTLの問題であろう。今期のオリジナル分類では覇権より作品なので、期待したい。
夜のクラゲは泳げない
今期のキンレコ枠前半。クリエイター気質の少女たちによるガールミーツガールなオリジナルアニメである。
友崎君の原作者がストーリーを務め、製作が動画工房ということで、今までのキンレコとはかなり趣が異なるように感じる。なんだか普通に面白くなりそうなのだが、せっかくキンレコなんだしAYAKAくらいの尖りがあっても嬉しいところ。
ガールズバンドクライ
- 原作・企画・製作:東映アニメーション
- シリーズ構成:花田十輝
- シリーズディレクター:酒井和男
今期のバンドアニメ枠。川崎を舞台にした少女たちのバンド物語である。都内じゃないので某バンドリより治安は悪そう。
オリジナルアニメ企画らしく事前に様々な活動が展開されており、特にバンドとしての動きが先行しているのは特徴的。既にPVが何本も公開されており、1000万以上再生されてる曲もあったりと、実は結構な人気になっている。1本だけ異常に再生されているというのは置いておいて。メンバーがそのままキャラの声を担当しており、本職が1人もいないというのはちょっと気になるところだが、当てキャラなら違和感が無いというのはバンドリで分かっているので。PVはピアノが印象的な曲が多いので、その辺が物語に絡んでくるのか、音楽的にも注目したい作品。
龍族 -The Blazing Dawn-
- 監督・シリーズ構成 :王昕
- アニメーション制作 :HANABARA Animation
今期のアニプレックス中国アニメ枠。原作が中国というだけでなく、制作も中国。日本語吹き替え版を放送するという、羅小黒戦記などと同じ形式である。
土曜24時というアニプレで一番重要度の高い枠で吹き替え版を放送するというのもビックリなのだが、それ以上に放送形態が凄い。初回1時間放送に加え、さらに5週連続で1時間枠を使って放送するという、いかれたスケジュール。よっぽどこのアニメにかけてるのだろうか。まあ、PV見ても相当に力が入った作品であることは間違いないが。ハオライナーズ枠の時代から考えると、中国アニメの躍進ぶりは目を見張るものがある。
リンカイ!
- 監督:石山タカ明
- シリーズ構成:白根秀樹
- アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/第6スタジオ
- アニメーション制作協力:マル画ファクトリー
今期のオリジナルスポーツアニメ。おそらく世界初、女子競輪をテーマにしたアニメである。決して、核融合炉とかの話ではない。
実は「女子競輪」という事業は昭和の頃に滅びてしまったものを2012年に復活させたという歴史があるらしい。そういう新興勢力だからこそ、盛り上げの一環としてメディアミックスをしているらしいが、それでアニメまで作るのだから大したものである。「スポーツ」としてのケイリンのイメージを崩さないような王道話にしてくれそうなので、期待したい。
ブルーアーカイブ The Animation
- 監督:山岸大悟
- 副監督:牧俊治
- シリーズ構成:大野木寛 山岸大悟
- アニメーション制作:Yostar Pictures ×studio CANDYBOX
巷で話題のブルアカ、待望のアニメ化。透明な世界観という広告とは裏腹にフトモモや胸の話が膨大に流れてくる、例のアレである。
エッチな女の子の話ばかり見かけるが、アニメのストーリーを見ると「荒事の多い学園都市を舞台に廃校の危機に瀕した学園を救うために女の子たちが奮闘する」というラブライブ的な物になっている。スクールアイドルも銃撃戦も、手段としては似たようなもの。アークナイツを踏まえると、キャラはエロくても話は割とシビアに作ってくるのがYostarだと思われるので、人気ゲームだけにさらに跳ねるようなアニメを期待したい。放送時間が日曜の23時45分という絶望的な被り方しかしない時間帯なのは最悪すぎるが。
アストロノオト
- 総監督:高松信司
- 監督:春日森春木
- シリーズ構成:うえのきみこ
- アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
今期の謎オリジナルアニメ。アパートの大家さんがヒロインという古典回帰なラブコメとなっている。
絵の古い感じ、ジャンルとしてフックが弱すぎるなど、雰囲気で原作のあるタイプだと思っていたのだが、これでオリジナルというのだから強気である。レトロ趣味というより「古臭い」に足を突っ込んでる気がしなくもないのだが、これくらい振り切った方が今はウケたりするらしいので。高松総監督のただの趣味に終わる可能性も高いが、ハマれば売れそうなダークホースである。
刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-
- 監督:市川量也
- シリーズ構成・脚本:末満健一(脚本原案:舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺)
- アニメーション制作:ドメリカ
刀剣乱舞シリーズの新アニメ。舞台版を原案にしたオリジナルアニメとなっている。
舞台をそのままアニメにしたら12話分≒4時間強の尺は埋まらないのではと思ったが、全8話にすることで解消するという、人気コンテンツにのみ許されるタイプの覇権ムーブ。実績のある作品が原作なだけに、面白いのは間違いないだろう。
時光代理人 -LINK CLICK-Ⅱ
- 監督・脚本:Haolin(リ・ハオリン)
- 総演出・総作画監督:LAN
- エグゼクティブ・ディレクター:張予夏/チャン・ユーシア 陸婉玉/ルー・ワンユー
- アニメーション制作:瀾映画
- 日本版製作:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ 株式会社アニプレックス
中国発の面白タイムリープアニメ、2クール目。前作が衝撃的なラストだったところからの待望の続編である。
正直、前作は縦線より横に逸れた単話の完成度の高さで評価してた側面があるが、それでも続きが見られるのは嬉しい。しれっと時間を遡って1話完結の形式で始まっても、めちゃくちゃ続きから始まっても面白いので、とにかく1話から注目したい。
原作もの
オーイ!とんぼ
今期のゴルフアニメ枠。離島に暮らしてた中学生が競技ゴルフの世界に挑んでいくという漫画が原作となっている。
女の子が主人公でテレ東朝10時の放送枠ということで女児向けのような雰囲気を出しているが、物語自体は本島から逃げてきたおっさんが少女と出会うところから始まるという。地味に既刊が49巻を越しているなど原作もビッグタイトルのはずなのだが、王道で売れる感じがしないあたりテレ東作品の味である。テレ東はゴルフアニメに何かを見出しているようなので、ぜひ売れてほしい。
変人のサラダボウル
今期のTBSモクヨル。平坂読による、岐阜を舞台にした群像劇となっている。
とにかくPVの時点で癖と萌えを兼ね備えた絶妙なキャラが大量に出てくる。カントク絵の再現度が高いビジュアルに台詞のテンポも良さそうであり、見てて絶対楽しいという予感が湧いてくる。古き良きTBSモクヨルの良作という雰囲気であり、放送後に話題となるのは間違いない。今期のダークホース。
怪異と乙女と神隠し
今期の怪異枠。怪異に巻き込まれる書店員の女の子が主人公の漫画が原作である。
怪異とタイトルに入っているが、どうやらホラーというよりは伝奇ミステリーに近いタイプらしい。主人公の声がファイルーズあいなのでバイオレンスな要素を期待したいが、書店員に暴力は難しいだろうか。
喧嘩独学
今期の外国勢の一角、韓国の漫画が原作のアニメ。動画サイトで喧嘩動画を上げたらバズった陰キャ主人公が色んなところに喧嘩を売る動画を上げながら陰謀に巻き込まれていくという、バイオレンス風味の作品である。
原作は韓国だが、アニメの制作は日本。冬アニメだと「俺だけレベルアップな件」などでもあったタイプである。外国原作のアニメは根本的な倫理観、社会通念の違いからくる予想外の展開が面白いのだが、今作も既にアクの強さが見え隠れしている。露悪的なところとか某動画サイトのオマージュがだいぶあるところとか。やりすぎると鼻につくが、大概は面白に貢献すると思うので、ビビらず思いっきりやってほしいところである。
ささやくように恋を唄う
- 監督:真野玲
- シリーズ構成:内田裕基
- CG監督:江田恵一
- アニメーション制作:横浜アニメーションラボ&クラウドハーツ
今期のNUMAnimation枠。一迅社のコミック百合姫という本家本元からの刺客である。
可愛い後輩と美人の先輩という王道なカップリングから「好き」の定義の違いからくるすれ違いを描くという、飛び道具も多いジャンルで恐ろしいくらいに直球な百合恋愛ものとなっている。1月放送予定だったのが4月にずれてしまったという事実は若干怖いが、原作勢では一番注目したい作品である。地味にバンド物という点でガールズバンドクライとニアピンしてるし、相乗効果で話題になってくれれば。
ただいま、おかえり
今期のBLアニメ。NHKのほんわか投稿コーナーみたいなタイトルだが、BL、さらに言えばオメガバースである。
BL界隈ではかなり昔からあるジャンルのオメガバースだが、地味にテレビアニメ化されるのは珍しいと思われる。もしかしたら、初かもしれない。確証はないが、公式サイトにわざわざオメガバースについて説明するページをつけてるので、公式も布教を意識しているのは間違いないだろう。
ちなみに、公式によるとオメガバースのΩは劣等種だが発情期があって、優秀種であるαを惹きつけるフェロモンを出すらしい。こう、色んな面で都合のよさを感じるというか、玉の輿ハーレムを肯定する逆算的な設計を感じるのだが、そういうものらしい。オメガバースは男女の性別に関係ないらしいので、陰キャなのにやたらモテるラノベ主人公とかもΩなのかもしれない。
閑話休題。掲載誌が「オメガバースプロジェクト」というジャンルそのままの雑誌名なので、概念がより一般的になるように頑張ってほしい。
声優ラジオのウラオモテ
- 監督:橘秀樹
- シリーズ構成:大知慶一郎
- 制作スタジオ:CONNECT
今期の電撃文庫アニメ。1作目からなにかと話題になってた女子高生声優百合ラノベが原作である。
声優ラジオというニッチ産業を選ぶ目の付け所と、一発屋ではなくちゃんとシリーズとして続けてられてる地力はかなり評価されてる印象。主演がPyxisの二人というのも絶妙な配役であり、虚構と現実の境が曖昧になってる感すらある。ダンまちの橘監督を筆頭に意外としっかりとしたスタッフも揃っており、電撃文庫作品として期待してよい出来にはなりそうである。というか、七つの魔剣とかビスコとか外しちゃいけなそうなの外してきちゃった感あるし、ここ当てないとヤバイのでは。
ヴァンパイア男子寮
- 監督:長山延好
- シリーズ構成:待田堂子
- 助監督:石栗和弥
- アニメーション制作:スタジオブラン
今期の少女漫画原作アニメ。女性主人公が男装してヴァンパイアたちの男子寮で暮らすという、懐かしい王道系のラブコメになっている。公式で「なかよし」創刊70周年記念作品と自称しているのだが、大丈夫なのだろうか。
講談社の人気原作ということで、永山監督×待田女史という「ランウェイで笑って」のテッパンコンビなのは心強い。ヒロインが男装と言うには可愛すぎる印象もあるが、そこが逆に見やすそうなので、期待したい。
じいさんばあさん若返る
- 監督:西田正義
- シリーズ構成:菅原雪絵
- アニメーション制作:月虹
今期のネット漫画アニメ。タイトル通り、若返ってイケメン美女になった老夫婦のイチャイチャを描いた恋愛系日常物になっている。桃太郎に関する俗説で「桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんが桃太郎を生んだ」というのがあるが、それの桃太郎が生まれなかった版というところか。いや、なら少子化対策に桃太郎を作れよと思うが。新婚生活は謳歌するのに子供は作らないのか。
なかなかトリッキーな原作ではあるが、輪をかけるようにメインのキャストが「三木眞一郎×能登麻美子」というふた昔くらい前のものになっており。普通にPVとか見てると脳がバグりそうになる。放送時間的には日曜深夜、僧侶枠の前番組なので、僧侶枠への助走としてはちょうど良いところだろう。
ワンルーム、日当たり普通、天使つき。
- 監督:大西健太(オクルトノボル)
- シリーズ構成・脚本:ヤスカワショウゴ
- アニメーション制作:オクルトノボル
今期の天使様枠。主人公の家に天使の女の子が落ちてくるという、王道な同居ラブコメである。
PVの時点で「これで間違いない」と確信できる甘々さが素晴らしい。奇をてらったところがなく、何より天使の声が遠野ひかるという。無心で見て幸せになれそうな今期の本命候補である。唯一残念なのは、土曜22時という土曜アニメマラソンの最初に位置することだろうか。最後にご褒美として置いてほしかった。
Unnamed Memory
- 監督:三浦和也
- シリーズ構成:赤尾でこ
- アニメーション制作:ENGI
今期のなろうっぽくないなろう作品。個人サイト掲載からなろうに移行してきたという経緯を踏まえると、純なろう作品というわけでもないのだが。大国の王子と魔女が出会って歴史が動くという、ふわっとしたイントロのハイファンタジーである。
全体的な原作の雰囲気からして、いわゆる「なろう系」とは一線を画すタイプの異世界アニメであることは確か。ただ、原作が文芸に寄ってるほどアニメ化すると難しいというのは過去の事例からも明らかであり、今作もキャラデザの時点でイントロのシリアスさと乖離してる感じはある。その辺、始まってみないと分からないところだが、原作規模の割には不安の強まるアニメ化ではある。全6巻で完結済みというキリの良さはポジティブに受け止めたい。
神は遊戯に飢えている。
今期のMF文庫J枠。カクヨムで連載されていても、メインヒロインの髪色が赤いタイプのMF文庫J作品である。
神と人間がゲームで闘うという頭脳バトルものだが、まあMF文庫J作品なのでそこまで頭脳一辺倒ではないはず。むしろ、適度に萌えが山盛りなくらいが嬉しい。キミ僕の原作者の作品ということではあるが、製作スタッフは全く違うのでテイストは変わると思われる。
WIND BREAKER
- 監督:赤井俊文
- シリーズ構成:瀬古浩司
- アクションディレクター:浅賀和行
- 制作:CloverWorks
講談社のヤンキー漫画を原作にしたアニメ。今期から始まるアニメイズム新枠のこけら落とし的な作品である。
新枠ということで、人気原作をCloverWorksでアニメ化するという手堅い印象。だがしかし、ヤンキーものというジャンル自体がややダサくなってる気もする。某リベンジャーズは「ループもの」という二重のジャンルづけがあったが、そういうの抜きでどこまでヒットするのかは注目したい。
烏は主を選ばない
- 監督:京極義昭
- シリーズ構成:山室有紀子
- アニメーション制作:ぴえろ
- 制作・著作:NHK NHKエンタープライズ ぴえろ
今期のオシャレ原作枠。八咫烏の化身を主人公にした、和風ファンタジーみのあるミステリーものとなっている。
原作が文芸小説ということで格式が高そうだが、アニメの方は漫画版を原作としているので、文字が苦手ならばそちらを読んでも良さそう。NHKによる深夜アニメであり、風格的にも質アニメとしてレベルは高そうである。京極義昭監督がゆるキャン△3期と同じクールでこちらに手をかけてるあたりも「本気」を感じるので、期待したい。
怪獣8号
- 監督:宮繁之 神谷友美
- シリーズ構成・脚本:大河内一楼
- アニメーション制作:Production I.G
今期の集英社大型作品枠。怪獣が存在する世界で、防衛隊を志しながら怪獣に変身してしまった青年が主人公のダークな話となっている。
ジャンプ+の大看板をIGがアニメ化するということで、本気で覇権を取ろうとしていることは間違いない。スパイファミリーと同じ放送枠ということでヒットは間違いない。
THE NEW GATE
- 監督:中津環
- 副監督:加藤顕
- シリーズ構成:内田裕基
- アニメーション制作:横浜アニメーションラボ&クラウドハーツ
今期のなろう作品にしてキンレコ枠。仮想空間に閉じ込められるデスゲームから解放されたら未来のゲーム世界に飛ばされるという、要するにゲーム系異世界ものである。
主人公がログアウトできないゲーム世界を攻略した上に苗字が「桐」から始まってるあたり、かなりSAOへの目くばせを感じるが、まあ内容的にはまったく方向性が違う。真裏にNUMAnimationが来てしまうだけに厳しい枠ではあるのだが、シンプルに俺TUEEEでガンガン進む力強い話運びを期待したい。
夜桜さんちの大作戦
- 監督・シリーズ構成:湊未來
- アニメーション制作:SILVER LINK.
ジャンプの看板作品が原作のアニメ。誰が何と言おうと、ギャグラブコメかと思ったら気付いたらガチバトル路線にシフトして売れてたのだから、ジャンプの看板である。
原作から間違いなく面白く、夕方に放送しても問題ないタイプの作品だとは思う。最近のジャンプアニメの性(さが)として、連載中の内容とアニメの内容でギャップがありすぎるのは笑ってしまうが。というか、本誌読んだらあらすじだけでアニメのネタばれになりそう。一応、公式サイトの雰囲気を見るに最新くらいまでのバトル路線を踏まえてアニメ化するようだが。果たして、アニメは原作に追いつけるまで続くのだろうか。
バーテンダー 神のグラス
テレ東の新アニメ。その昔アニメやドラマになった漫画「バーテンダー」を原作としている。
立ち位置的には「ゼロ年代ヒットコンテンツのリバイバル」という最近よく見かけるタイプのアニメなのだが、原作が渋すぎるためにその感じがしない、という面白な立ち位置にある。放送時間が色んなところと被っているのだけがネックだが、期待したい一作ではある。
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる
今期のなろう転生もの。人の才能を見抜いて適材適所することで成り上がるという、タイトル通りの話である。
「アガルアニメ枠」という新規に作られた全国放送枠のトップバッター作品ということで。前から結構CMを売ってただけあって、人気原作なのだろう。枠を作ったCBCが最後に作成した全国放送アニメが「星のカービィ」という事実を聞くと、なんとも言えない気分になるが。とりあえず初っ端からコケるということだけは無いでほしい。
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
- 監督:玉村仁
- シリーズ構成・脚本:戸塚直樹
- アクション監督:アベユーイチ
- アニメーション制作:つむぎ秋田アニメLab
今期のなろう転生もの。現代からではなく異世界から異世界へと転生するタイプである。
タイトル通り、魔術を極めながら無自覚TUEEする感じ。テレ東月曜24時という絶妙な時間も相まって、力が入っていてもいなくてもちょうどいい感じの立ち位置である。
となりの妖怪さん
今期のANiMAZiNG!!!枠。人間の少女と猫又の日常を描いたネット漫画が原作となっている。
なんとなく夏目友人帳っぽさを感じつつ、正直、テレ朝の全国放送枠でやるにはパンチが弱くないかとも思ってしまう。土曜マラソンのラストなので、緩い分には問題ないが。
出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした
- 監督:古賀一臣
- シリーズ構成:池田臨太郎
- 脚本:大草芳樹
- アニメーション制作:スタジオディーン×マーヴィージャック
今期のなろう枠の一角。タイトルが全てを物語ってくれる、配慮の行き届いた一作である。
変に奇を衒うこともなく、ど真ん中になろう原作ということで、テレ東火曜2時台という極北にもピッタリな空気感を醸し出している。火曜マラソンを完走できるタイプの人間にはたまらないご褒美になるだろう。
ザ・ファブル
- 監督:髙橋良輔
- シリーズ構成:高島雄哉
- 脚本:高島雄哉 森田眞由美
- アニメーション制作:手塚プロダクション
某殺し屋漫画が原作のアニメ。岡田准一の主演映画にもなっていた作品である。
映画効果もあって人気の原作であり、スタッフも手堅くて面白そうではあるのだが、放送枠の裏かぶりが多すぎるのは辛い。なぜ土曜25時台とかいう色々と被る枠なのだろうか。
戦隊大失格
- 監督:さとうけいいち
- シリーズ構成:大知慶一郎
- アニメーション制作:Yostar Pictures
今期のTBS夕方枠。五等分の花嫁の作者による、戦隊ものオマージュの漫画が原作となっている。
五等分はだいぶおっぱいに頭を持ってかれていく感じだったのだが、こちらは意外としっかりストーリーしている印象。五等分の花嫁も縦軸はミステリーだったのだが、その側面を強くした感じだろうか。春場ネギ先生の作品なのにヒロインの胸が全然盛られてないのはびっくりだが。夕方に「ぽんのみち」レベルのおっぱいは許されなかったということなのだろう。
同じクールに集英社で怪獣特撮をオマージュした「怪獣8号」が放送されるあたり変な因果も感じるので、互いに売れてほしい。
花野井くんと恋の病
- 監督:牧野友映
- シリーズ構成・脚本:雨宮ひとみ
- アニメーション制作:イーストフィッシュスタジオ
今期のTBS木曜深夜枠。呪術を放送してから、特に名前がついていないのに大型作品が続く謎の枠である。今期も、コミックDaysの人気作が原作のアニメとなっている。
お試し交際から始まる、高校生たちの今どきの恋愛ものという感じ。呪術・ブレイバーンという流れで見るとパンチ不足ではと思うが、はたして。
忘却バッテリー
ジャンプ+の漫画が原作のアニメ。記憶喪失がキーの野球ものとなっている。
バッテリーにおいて頭脳担当となる捕手が記憶を失くしたというのは上手い設定であり、事実、ジャンプ+でも代表作の1つとなっている。野球は動きが少ないのでアニメに描きやすいという昔からの話があるが、製作はMAPPAということで、おそらく過剰気味に動かしてくるだろう。女性人気も出そうなキャラ絵であり、ダークホースとまではいかないが跳ねそうな一作である。
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?
今期の奴隷枠。僧侶枠のようなタイトルをしているが、健全なライトノベル原作となっている。後、原作は地味になろうではない、純粋なHJ文庫の作品となっている。
奴隷を買って人間扱いする話は、もはやジャンルとして定着してると言ってもいいだろう。「ネット小説版のプリティーウーマン」と言われても反論できない感じはあるが、人気があるのも分かる建付けなので仕方ない。ヒロインが市ノ瀬さんで、相変わらず不幸な役が似合う声をしているので幸せになってほしい。
Re:Monster
- 監督:イナガキタカユキ
- シリーズ構成:山口宏
- アニメーション制作:スタジオディーン
今期の転生枠の1つ。ゴブリンに転生して頑張るという話になっている。ちなみに、元々はなろうで連載されていたのに規定によって削除されたそう。そこで追放されるのか。
モンスター転生ものは珍しくないが、主人公のゴブリンがだいぶ細くて宇宙人みたいなのには笑ってしまった。地味にスタジオディーン制作なので隠れ名作にはなるような気がする。
Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ
タイトルでわかる、今期のなろう原作の一角。いや、正確には「元なろう」というべきかもしれない。作者が18禁規制でアカウント削除して作品自体が無くなったらしいので。
タイトルが即あらすじなので語ることもないのだが、キャストとスタッフがかなり熱い。主人公が日野聡でヒロインが釘宮理恵で、監督が岩崎良明、制作はJ.C.という。もしかしなくても「ゼロの使い魔」である。主人公とヒロインが結婚するという設定を見て「昔、ゼロの使い魔のラジオの影響で、日野聡と釘宮理恵が付き合ってるなんて噂あったな~(日野聡は中島沙樹と結婚しており、この噂も明確に否定している)」などと回顧してしまうくらいには懐かしさがある。
狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF
地獄の底から這い上がってきたゼロ年代の記憶の残滓。前作の2クール目が2009年、原作の完結ですら2011年というのだから遠い昔である。
公式によると3期ではなく「完全新作」とのこと。さすがに干支を一回りした上で続きをやるのは無謀と判断されたんだろうか。立ち位置的にはキノの旅と同じということになりそうだが、そうなると少し不安な面も否めない。まあ、こちらは当時の監督が総監督でキャストも変更なしなので、あちらと比べると元の色合いが濃いめになるが。
とりあえず、令和に「わっち」を自称する中高生が大量発生する可能性があると思うと、非常に恐ろし楽しみなところである。
黒執事 寄宿学校編
なんか急に現れてきた黒執事のアニメ。OVAと映画を挟んだ上での4期目となる。テレビ放送でいえば10年ぶりだというのにあまり驚きがないというのも、昨今のリバイバルブームの影響だろうか。
続編なのでキャストなどに変更はなく、製作がA-1からCloverWorksというのも誤差の範囲。放送が初めてTBSではなくMXに移ってきたとはいえ、枠がアニプレの裁量の内なので、質が落ちることはないはず。
ゆるキャン△ SEASON3
大人気きららキャンプアニメの3期。冬アニメのダークホースも、いまや春アニメの目玉作品。貫禄すら感じる宣伝具合には涙を禁じえないところである。
大人気作の続編ということで期待したいのだが、実は製作スタッフがごっそり変わってる。監督くらいならよくあるが、制作会社レベルで全変更は珍しいのではないだろうか。映画で流石に攻めすぎたのか。ちなみに、京極監督はnhkで烏と戯れてる。
C-Stationから8bitというのは弱化とも強化とも言いがたいところだが、PVからも若干の空気感の変化は感じる。とはいえ、キャンプして美味そうな飯を食ってれば満足というところはあるので。決して変な方向には転がさないようにだけ、頑張ってほしい。
この素晴らしい世界に祝福を!3
このすばの3期目。映画とかスピンオフを挟んでいるので意外だが、正式な続編としては2017年からの7年ぶりとなる。
スタッフ編成に若干の変化があるが、メンツとしてはスピンオフである爆焔と同じなので心配はないだろう。逆に爆焔で絵が綺麗すぎて不満だった覚えもあるので、より楽しく動かしてほしいところである。
デート・ア・ライブⅤ
- 監督:中川淳
- シリーズ構成:志茂文彦
- アニメーション制作:GEEKTOYS
みんな大好き、デアラの5期。4期のラストに公言された続編が本当に来た形である。
5期とまで聞くとだいぶ隔世の感があるが、今期はもっと隔世したアニメが大量にあるので、相対的に懐かしさが薄れている気がする。信じがたいことだが。
4期から大きく変わったところもなく、なんとEDもちゃんとsweet ARMSが続投しており、不変具合に感動すら覚えてしまった。
響け!ユーフォニアム3
みんな大好き、ユーフォニアムの3期。スピンオフとか劇場版を挟んで、気付いたら8年ぶりのテレビ放送である。以前はMX深夜だった放送枠もNHKの夕方枠になっており、地位の向上が甚だしい。
アニメとしては2期→3期というナンバリングだが、時系列的には劇場版の続きとなっており、アニメの2期で1年生だった久美子が3期には3年生になっている。2年生に何があったかは映画を見よう!これが始まったら遂に物語もフィナーレという感じがして寂しいが、それはそれとして完結まではアニメで見たいので、頑張ってほしい。
転生したらスライムだった件 第3期
転スラの3期め。ひさしぶりのアニメ化と思わせて、スピンオフや劇場版などを入れるとほぼ毎年なにか新作を出しているスケジュールとなっている。
2期からスタッフ等には変化が無いのだが、放送局がMXから日テレと大移動している。しかも枠的にはフリーレンの後釜で2クール確定とのことなので、出世と言っていい待遇の変化だろう。2クールあればがっつりした話もできそうなので、重めのものも期待したい。
魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 第2クール
- 総監督:大沼心
- 監督:田村正文
- シリーズ構成:田中仁
- 制作スタジオ:SILVER LINK.
アノス様のアニメ2期の後半クール。「分割2クール」という宣言で間隔が半年空いてるという、変則的なスケジュールの結果が今期放送ということになっている。
主演が交代したりコロナで延期したり、制作には色々と波乱があったがアノス様には何の波風も立ってないと同然なので。今期は親衛隊ガールズがどれくらい活躍してくれるのか、注目したい。
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール
もはや無職も転生も過去に置き去った、無職転生2期の分割後半クール。前期でEDを治療して幼馴染みエルフのシルフィと添い遂げるところまで達成したのに、まだ話は続くようである。
1期では家族の重い話をしっかりめにやってたが、PVの感じだと今期もその方針は引き継ぐ様子。これ以上シルフィが悲しい目に合わないことだけを願いたい。
魔法科高校の劣等生 第3シーズン
ついにやってきたお兄様の3期目。ひさしぶり感あるが、2期が2020年で特別編とスピンオフが2021年という事実を見ると全然最近に感じてしまう。いや、他の続きもののスパンがおかしいのだが。
前期から変わったところといえば、メカニックデザインだったジミー氏が監督にスライドしたくらいか。なんやかんや言っても電撃文庫の柱作品でありお兄様が素晴らしいのは間違いないので、3期も楽しみである。
死神坊ちゃんと黒メイド 第3期
謎メイドとなんでも殺しちゃう呪いをかけられた坊ちゃんのアニメ3期。「逆セクハラ」とか言ってキャッキャッしてたと思ったら、ついに呪いに立ち向かう最終章らしい。
物語として結末を迎えるためか、PVなどでも「日常もの」という感じはせず。1期から比べるとだいぶキャラも増えた状態であり、ゴールに向けて物語を進めていくんだという意思を感じる。
鬼滅の刃 柱稽古編
安定の鬼滅新作。柱稽古編だけでは正直尺足りないところを事前特番やら総編集で埋めるという、覇権仕草がすごい。鬼滅なら春アニメを名乗っても5月放送で許されるのかと思いつつ、なら唐突にオリジナル鬼が出てくる番外編4話くらいやってほしいとなるのは古い感覚なのだろうか。